「コメディのルーツは、ここになるのかな」女は女である septakaさんの映画レビュー(感想・評価)
コメディのルーツは、ここになるのかな
“ヌーヴェルヴァーグの50年”という
特集上映内で『夜と霧』と2本立てで旧作を堪能すべく鑑賞してきました。
リーフレットのあらすじによると
ミュージカル調のコメディとのころ。
『地下鉄のザジ』みたいにならんだろうなぁ
若干の不安はありましたが、
大笑いする準備万端で上映開始を待ちました。
☆彡 ☆彡
1961年だから約50年前かぁ
きっと、その当時は斬新で笑えたんだろうなぁ・・・
いくつものシーンで
笑いましたが、結局のところ、
大笑いをするシーンは一箇所もありませんでした。
役者さんが
芝居中、急に観衆に向かって語りかけてきたり、
奇妙な、女性用の着替え装置がでてきたり、現代にも
つながっている根っこのようなものは感じられました。
だから、笑うというよりも、
芸術作?コメディルーツ作?とでも
表したほうが、適切なのではないか、そんな気にさせられました。
だって、色使いも原色が効いていましたし、
ここ笑いをとりにきているな、と思えた小道具の
色彩にもこだわりがあるようにみえましたからね。
でも、
全然笑えなかったわけではなくて
主人公のカップルが喧嘩しているとなりで
他のカップルに延々とキスをさせてみたり、
小さな子供たちに「もっとセクシーな本が欲しい」と言わせてみたり、と
単純に笑わせるよりも、ウィットに富んでいるって言えばいいのかな。
ちっちゃなひねりがあって、クスッとさせられる場面は、いくつもありました。
☆彡 ☆彡
なお今作、
ゴダール自身は、
「これが本当の意味での処女作」と語っているとのこと。
そんな
重みを知る由もない私は、
ヒロイン役のアンナ・カリーナさんの
あまりの美貌が登場するだけで、十分満足しちゃっていました(苦笑)
大爆笑を期待するとすかされますが、
フフッと、口元を少し捻らせる大人の笑いが
好きなかたに、お薦めしたい作品です(笑顔)
私は大爆笑を期待しちゃっていて
笑い足りなかったので、かぎりなく
A-に近い、B+にしておきます。