「【知性ある一夫一妻制のシャチ(学名:オルカ)が、目の前で妻子を殺された事に対し、嘆きの鳴き声を上げた後に、漁師とその仲間に復讐していく様を描く、従来のサメ、シャチ映画とは趣が異なる作品。】」オルカ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【知性ある一夫一妻制のシャチ(学名:オルカ)が、目の前で妻子を殺された事に対し、嘆きの鳴き声を上げた後に、漁師とその仲間に復讐していく様を描く、従来のサメ、シャチ映画とは趣が異なる作品。】
■カナダのニューファンドランドの漁師・ノーラン(リチャード・ハリス)は、水族館へ売るため押すのオルカを生け捕りにしようとするが、誤ってメスに麻酔銃を撃ってしまう。
やがて、メスはショックで産み落とした子供と共に死んでしまう。妻子を殺され復讐に燃える雄は人々を襲う。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・海洋生物学者のレイチェル(シャーロット・ランプリング)が講演で、シャチの特性を話すシーン。曰くシャチの脳は人間並みの大きさで、一夫一婦制であり、子供は哺乳類だからか、母親の胎内に居る時の姿は、人間の赤子のようである事を話すシーン。
・それを聞いたオルカの”妻子”を誤って殺した猟師、ノーランはある決意をするが、オルカは漁村のノーラン以外の船を壊す。更に海上に立っていたノーランの家の脚を壊し、中に居たアンの脚を食いちぎる。
・漁村に居られなくなったノーランは仲間の船員と、レイチェルと共に、オルカに導かれるまま北極海へ進む。
■次々に乗員がオルカに殺されて行く中、オルカは更に氷塊をノーランの船にぶつけ、ノーランを海中に落とした後に、ノーランの周りをゆっくりと泳いだ後に、尾鰭でノーランを氷塊に叩きつけ殺すのである。
独り、生き残ったのはレイチェルだけであった・・。
<今作は、「ジョーズ」以降数多製作された、人間を襲うシャチ、鮫パニック映画とは大きく趣が異なる作品である。
妻子を目の前で降ろされたオルカの知性ある復讐方法や、自身の犯した罪を自覚しつつ、オルカと対峙するノーラン船長の姿が印象的である。
灰色の瞳の若きシャーロット・ランプリングの姿や、エンニオ・モリコーネの音楽、そしてオルカの哀しき鳴き声や、目から涙を流したり、憎しみに満ちた目でノーラン達を観るショットも切ない趣を醸し出している作品である。>