大人は判ってくれないのレビュー・感想・評価
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大切にしたい映画かも
1959年製作のフランス映画。監督はフランソワ・トリュフォー。今週にジェーン・バーキンの来日公演に行くことになり、ここ数週間はおフランスモードでございます。というわけで、最近はフランス映画ばかり観ているのですが、本作はその中でもかなりクラシックな部類に入る作品です。
内容は、両親の喧嘩が絶えず、まともな愛情ももらっていない12歳の男の子の物語。ちゃんとした親の教育をもらわないまま育ったものだから、普段から素行が悪く、学校では悪童あつかいで、問題が絶えません。そして、主人公は、親から見捨てられ、特別施設に送られるという悲しいお話となっております。
わたくし自身は、この主人公ほどぐれたことはなかったのですが、それでもどういう訳か似たような部分はあるなと思いながら見てしまいました。ひょっとしたら、この映画に描かれている主人公の心情というものは、大人になるまでに誰もが抱える反抗心なのかもしれません。
なんでもお見通し的な態度をとる親や大人は、実はなにも分かっていない。子供心ながらに、こんな所で傷ついたことって誰でもあるのではないでしょうか?
あまり多くを語らず非行を繰り返していく主人公の姿から、やるせない怒りと悲しみが、うまく観る人の想像力に伝わってきます。これは親になった人たちが定期的に観るといい作品だと思います。
作品のロケになっているフランスの街(パリ?)が、モノクロの中とても活きています。主役を演じた子役の影のある横顔が素晴らしく、カッコよくさえ思う。
一度は観るといい映画です。
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