「誠実な大人の男と女の向かい合う愛」男と女(1966) Gustav (グスタフ)さんの映画レビュー(感想・評価)
誠実な大人の男と女の向かい合う愛
重い過去を抱えた男と女が向かい合う愛を、上品に美しくモンタージュしたフォトジェニーの秀作。余計な台詞を排したフラッシュバックの過去が、大人の男と女の愛に向き合う違いを描写するシンプルな表現。愛の交歓を大胆なカメラアングルで捉えた、女の恍惚の美しさ。アヌーク・エーメの透明感と無垢な優美さを湛える表情に魅せられるフランス映画。フランシス・レイのテーマ曲が美しい映像と溶け合い、誠実な男と女を浄化する。ラストの物語の結末まで、男と女の愛に正直でありたいフランス映画の粋を象徴する語りの巧さ。ムード音楽ならぬムード映画の唯一の成功作。
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