劇場公開日 1975年3月1日

オデッサ・ファイルのレビュー・感想・評価

全12件を表示

5.0原作偏重の傑作

2024年6月14日
PCから投稿

原作があまりにも骨太でしかっりし過ぎているので、誰が演出しても傑作になりうるストーリー偏重の作品です。
サスペンスもスリラーも抜群です。

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越後屋

5.0昨今の考証が適当なドラマよりはるかに面白い

2023年8月25日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

興奮

知的

難しい

原作も面白かったし、この映画も面白い。
作品紹介にストーリーが全部書かれてしまっているのは良いの?
あと父親は収容所で虐殺されたのではなく、港で負傷兵を船で運ぼうとしているところを接収されそうになり、抵抗して撃たれた。修正した方が良いのでは。

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mamemame

3.0SSに潜入

2021年7月6日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 目を覆いたくなるようなロシュマンの残虐な行為、白黒映像で中々良かったです。ネオナチの集会に参加してからというもの、命を狙われるピーター。地下鉄で突き落とされたときは、マジで怖かったっす。

 一人で調査するピーター。無防備すぎます。SSに潜入するという大胆さも、やりすぎだと思うのだが・・・ま、そうじゃなきゃ面白くないんですけどね。

 何故執拗にロシュマンを殺ることを考え、追い続けるのか・・・途中で想像ついてしまいますが、まぁまぁ面白かったです。

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kossy

3.0主役は地味だが

2021年3月25日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

なかなかのサスペンス。一介のジャーナリストが追求にしてはしつこ過ぎると思っていたが、理由が判明納得。
ジークフリート師団の宴会場面が興味深かった。ドイツはやはりビールやね。

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桑畑五十郎

4.5本作で取り組むべきテーマを、復讐譚で矮小化されては残念としか言い様がない

2020年12月2日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

傑作「ジャッカルの日」の原作者フレデリック・フォーサイスの第二作

彼の原作による映画は四作あります

ジャッカルの日 1973年
オデッサ・ファイル  1975年(本作)
戦争の犬たち 1981年
第四の核 1987年(日本未公開)

フォーサイスはイギリスの作家
元ロイターやBBCの記者だけあって圧倒的な取材力でその原作は莫大な情報量を誇ります
もちろんフィクションを絡めて小説にしているのですが、そのフィクションの含有量がかなり少ない
というかそのフィクションもそうなる可能性がかなり高い確率であったというものです

第1作のジャッカルの日はその物語が、映画的な題材であったので、映画も傑作中の傑作になりました

しかし本作はどうかというとそこまでは、とてもいかない
以降の映画もしかり
むしろ映画との相性が悪く感じます
その情報量の極めて多い原作の端折り方、テーマの見極め、物語性の付与
かなり脚本の難易度が高いのだと思います

本作もそうで、原作の良さが消化不良を起こしてしまって残念です

それでとも中盤の変装してのオデッサ潜入からはがぜん面白くなります
しかし結末がただの復讐譚にまとめられてはつまらなく、しけたものになってしまいました

冒頭にでるタイトル文字が秀逸
Odessa File のssの部分がゲシュタポのあの有名なSSのロゴを模してあるのです
もしかしたら、実在のオデッサの命名もSSの文字があるから採られた名前なのかも知れません

舞台は、ケネディ暗殺のあった1963年11月22日の夜、ハンブルクから始まります
地下鉄Merken Street駅でのホームからの転落シーンは有名です

その後、ミュンヘン、ウイーン、バロイト、ハイデルベルクと変わります
終盤はお堀のある古城が舞台となります
といっても他に観光名所が出るわけでも綺麗な景色が広がる訳でも有りません
冒頭の夜のハンブルクの大通りのクリスマスの飾り付けの光景の方が記憶に残るくらいです

戦友会は在って当然です
親睦会です
戦地で生死を共に銃弾をかいくぐって生き残った間柄なのですから、戦後何年経っても懐かしく親睦を毎年温めたくなると思います
それは洋の東西を問わず日本でも同じです
戦勝国の米英露でも同じでしょう
戦友が困っているなら、できることならお互いに便宜を図るのも当然のことです

だが、それがゲシュタポの戦友会だとしたら?
しかもホロコーストを実行した部隊のものなら?
戦犯は戦後逮捕され、然るべく処罰され死刑に処されたはず
しかしドイツでは本作のように組織的に終戦間際から水面下に名前と身分を変えて潜んでいたわけです
しかもそのネットワークを持って戦前のファシズムを復活させようとしているならば?
現在進行形でイスラエルに対してまたもホロコーストをやろうと目論んでいたならば?

それが本作で取り組むべきテーマだったのです
復讐譚で矮小化されては残念としか言い様がない
そんなものは一要素に過ぎないはずです

日本ではどうか?
そのように水面下に逃れられた人物は皆無とは言えないかも知れません
殆どの戦犯は戦勝国によって逮捕され処罰をうけました
逃れた人物は稀でしょう
何故か逮捕されなかった人物もあったかも知れませんが極少数だと思います
そこがドイツと違うように思います

しかし私怨でお前は戦犯だと言いがかりをつけ、戦後何十年経っても特定個人を執拗に個人的に付け狙い暴力を振るう人物もいたようです
「ゆきゆきて、神軍」はそのような人物の映画でした
本作と見比べて、その酷さ、醜悪さ、程度の低さを確認しても良いかも知れません

そして個人ではなく日本民族全体に、当時生まれてもいない新しい世代にまで責任と謝罪を永遠に問うような隣国があります

ホロコーストの責任を個人にのみ問うユダヤ人の姿勢と比べると、アジア的な陋習を強く感じます

主人公ピーターの父親が佩用していた柏葉・剣付騎士鉄十字章は、ドイツ軍全体で159名のみ
大半は元帥や将官です
大尉でこれを授章した人物とは、天下に名前を轟かせる程の戦功を幾度も挙げている者ということになります

これがどれほど凄いかと言うと、「ヨーロッパで最も危険な男」として有名なオットー・スコルツェニーが、ムッソリーニ救出の功績で与えられたのが、親衛隊中佐に昇進と騎士十字章でした
それは3ランク下の勲章です

つまりピーターの父は、このスコルツェニーの戦功にも勝るほどの英雄であったという設定なのです

このスコルツェニーは戦後、本作で描かれたオデッサにもかかわり、さらににはイスラエルのモサドとも接触して、エジプトのイスラエルへのロケット攻撃計画に関与するドイツ人科学者のリストを提供して、この計画を未然に潰したともいわれています
つまり本作でのピーターの行動と父親はこのスコルツェニーの人生を元ネタにしていると思われます

ちなみに、「鷲は舞いおりた」のシュタイナー大佐がラストシーンで佩用していた勲章は、柏葉付騎士鉄十字章です
剣付きではなくワンランク下になります
シュタイナーは降下猟兵部隊の指揮官ですが、スコルツェニーがムッソリーニ救出作戦に使ったのも降下猟兵部隊でした

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あき240

3.5良く練られたストーリーだと思います。

2020年2月7日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

戦後のナチ支援組織「オデッサ」の存在を知ったルポライターが、ユダヤ人組織の力を借りて組織に潜入する・・・と言うストーリー。

フレデリック・フォーサイス原作のスパイアクション。正直あまり知らなかった作品でしたが、「ジャッカルの日」の原作者と知り、鑑賞。
古い映画ということもあり映像的な迫力には欠けますが、ストーリー的には流石でした。主人公がこの件に異様に執着している様に違和感を持ったストーリーではありましたが、ラストでその違和感も見事に解消。ベストセラー作家原作だけのことはありますね。

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よし

3.0緊張感と変装に釘付け

2019年10月12日
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怖い

知的

緊張感があるシーンが多く、ドキドキさせられました。

ストーリーにはナチスドイツに関する陰惨な史実も含まれていて、悲しみや怒りを覚えると共に考えさせられました。
展開としては上手く進みすぎにも感じました。ですがラストでなるほど…と思わせられる場面もあり、楽しめました。
ヴェンツァーのその後が気になります。

ジョンヴォイトの変装時の所作や表情の変化が素晴らしかったです。本当に別人に見えました。

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きーとろ

3.5原作:フレデリック・フォーサイスがナチス組織の詳細な情報から執筆し...

2019年5月16日
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原作:フレデリック・フォーサイスがナチス組織の詳細な情報から執筆した小説の映画化。
生き続けるナチス組織に命がけで挑む。
鑑賞日:2015.3.15

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miharyi

3.5戦後も暗躍するナチ残党に勇敢にも立ち向かう記者、当然命を狙われるこ...

2017年7月16日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

戦後も暗躍するナチ残党に勇敢にも立ち向かう記者、当然命を狙われることに。
展開がスリリングでドキドキハラハラ、途中からもはや誰が味方で誰が敵なのか何も信用できなくなります。
ラストには衝撃の真実もあり、なかなかに楽しめる面白いサスペンスでした。
これ、かなりの部分が真実というところが恐ろしい。原作者には多くの脅迫状が届いたそう。
恋人シギーがセクシーで良かった。がっかりなのは風貌の割にはまぬけな殺し屋でした(笑)

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はむひろみ

4.0活劇部分は駄目

2017年4月29日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

総合75点 ( ストーリー:75点|キャスト:70点|演出:70点|ビジュアル:65点|音楽:60点 )

 突然現れたイスラエルの諜報員達はどうやって主人公の活動を知ったのだろうか。描かれることなくいきなり彼らが登場するが、背景の説明がない。殺し屋は弱くて驚いた。城にいとも簡単に侵入出来るし電話が盗聴されていなかったりするのは、この時代の技術がまだまだ未熟だったのだろう。ファイルはどう使われてどのような結果をもたらしたのだろうか。そのような物足りないところもある。活劇の演出は不合格。
 でも総合的には楽しめました。旧ナチスの組織の話は色々と聞くので、社会に蠢くその活動に怖さと緊張感があった。組織に潜入するための準備と潜入するときの相手の警戒水準の高さとしつこい質問は見応えがあった。

 原作を読んでみたが、イスラエルの動きのことは詳しく書かれていてよくわかった。殺し屋のことは原作とはかなり異なっていて、活劇が駄目なのは映画の制作側の問題だった。主人公が乗り物語に重要な役割をするジャガーXK150Sが、映画ではメルセデスでただの移動の道具扱いになりたいした活躍をしなくなるのは残念。

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Cape God

3.0本当に見たくない

2017年2月15日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

ナチスとユダヤ人の物語(映画)は本当に見たくないのに
またうっかり見ちゃった、、、
面白いスリル・サスペンスとしては楽しめないのよ!
じゃあ見るなってね(^-^;

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mamagamasako

2.0ドイツ人とは誰か?

2016年6月6日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

怖い

興奮

知的

 フレデリック・フォーサイスの原作になる映画作品は「ジャッカルの日」に次いで2作目の鑑賞。「ジャッカル」がいま一つだった記憶が残っていたので、この「オデッサ・ファイル」もあまり期待を持たなかった。
 映画にはあの時代のミュンヘン中央駅などがロケ撮影によって映し出されており、メルクリン社の模型を手にして憧れていた当時の車両の映像が楽しめた。
 スリルとサスペンスに溢れ、なかなかな知的娯楽作品だった。

 この映画を観終わってつくづく考えた。
 第二次世界大戦後の産業・科学技術が、ナチの残党とユダヤ人なしではあれほど急速には発達しなかったこと。そして、その礎はドイツという土地にあり、その成果利用と投資や研究の主導権を巡っては、ユダヤというコスモポリタニズムと、ドイツ民族主義が絶えず緊張関係にある。
 ドイツ人とは一体誰のことを指すのか。ドイツ民族とは何か。ドイツ語とは誰の言語なのか。ドイツ語を話していたオーストリア帝国の支配層やモーツァルトはドイツ人ではないのか。なぜ周辺国の言語に「ドイツ」指す言葉がないのか?ドイツ人を指すのは、英語ではゲルマン民族を意味する言葉だし、フランス語ではアレマンノ族を意味する言葉である。
 そのような疑問点が次々と浮かび、この不安定さこそが、ナチズムを生み、そしてその暴走を許したものではないのかという、映画の本筋とは全く関係のないが頭の中を占めた。

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佐分 利信