「愛情のパターンは様ざま」恐るべき子供たち あまおとさんの映画レビュー(感想・評価)
愛情のパターンは様ざま
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ジャン=ピエール・メルビル監督+ジャン・コクトー/1950
古さを感じるが、あらすじと俳優たちの美しさが魅力だった。
室内シーンが多く閉塞感があるのは内容からして仕方ないが、ロケがまだ珍しい時代でもあったのか。
彼らは…というかエリザベスは、異常だろうか?
たとえば、もし無人島に兄妹または姉弟が放置されれば、ふたりは深い関係になる可能性がある。また、子ども以外に愛するものを持たない親が、こどもを自分の傍らから離そうとしないことはありがちな話。愛情をどこにどんな形で向けるか…それは、個体差以外に、環境や生いたち、社会の状況などにかなり左右されるのだろう。
愛情のバリエーションは様々だ。
エリザベスは、ポールのアガートへの愛を認めなかった。彼女の世界は狭く自己中心的だ。しかし、大事なものを取られまいとする動物的な当然の反応ともとれる。
人間の得体のしれない厄介な側面が堂々と映画になっていて、おもしろい。
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