劇場公開日 1958年12月25日

「ヘネシー親父が、主役を食ってるね。」大いなる西部 藤崎敬太さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5ヘネシー親父が、主役を食ってるね。

2024年6月16日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

いい映画を観ると、エンディングで背中がゾクっとする。

本作もそうだった。東部男のマッコイが、西部の荒くれ者の中で、

自らの信念を、かなりの度胸で貫き通す。

二つのシーンが印象に残った。

テリル一派の部下たちが、ヘネシー一派との争いを無用な争いとし、

一度はボイコットするが、1人でも闘う姿勢の親分に結局は従う。

理屈よりも心で感じる、男たちを見た。

もう一つは、丸腰で直談判に来たマッコイを意気に感じる一方、

我が息子の不甲斐なさ情けなさから、息子を銃殺しながらもその息子を抱くシーン。

65年前の作品のようだが、カメラアングルや、音楽など、古さを全く感じないし、

男は、勇敢であれ、優しくあれ、公正であれ、とのメッセージが

伝わってきた。

藤崎敬太