劇場公開日 2018年2月3日

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「欧州の階級社会は複雑じゃ」大いなる幻影(1937) あっきーさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0欧州の階級社会は複雑じゃ

2024年2月3日
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鑑賞方法:VOD

名画100選とかで必ず出てくるのと題名から「嵐が丘」みたいな文学作品の映像化とばかり思ってたら捕虜収容所ものとは。脱走を繰り返す主人公達だが出自の違いから必ずしも一枚岩では無く、「大脱走」のような固いチームワーク感は見られない。むしろ同じ貴族出ということで敵の収容所長と友情が芽生えるのだから欧州の階層意識はよく分からない。大尉が2人を逃すために囮になったのも、仲間のためというより滅びゆく貴族の矜持みたいなものだったのか。そう言えばこの大尉と収容所長、時折英語でやり取りしていたようだが、あれはどういう設定なのかな?貴族の公用語は英語?
この騎士道精神溢れる第一次大戦下のドイツ人が30年後(この映画制作の数年後)には捕虜を大量虐殺するのだからまさに優雅・平和な時間など幻影に過ぎぬということですな。

あっきゃん