「穴の中から見上げる月」桜桃の味 bloodtrailさんの映画レビュー(感想・評価)
穴の中から見上げる月
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テーマは、「宗教倫理」と「金」と言うか、恐らく「資本主義社会の価値観」。イスラムの教えに縛られて身動きが取れない穴の中から見上げる空に浮かぶ月が象徴するもの。
1997年のパルムドール受賞作で巨匠キアロスタミの脚本&監督作品。無駄な演出無し、リアルタイムな時間感覚と言う作風は変わらず。
でも、これは、かなり詰まらないw
ある男が自殺を踏みとどまるまでの数時間の物語り。原題は「神の名の下に」と言う意味らしく。登場人物は、クルド人、アフガニスタン人、トルコ人、とイラン人。キアロスタミの意図を感じます。コーランが禁じる自殺を誰も手伝いたがりません。
仕事を頼みたい、の言葉は、どんな秘密を抱えているのかと興味を引きます。自殺を手伝う者を探すパートでは、穴に何かの秘密が?と、コレまた謎かけになってて、興味を引きます。
ところがですね。
ネタバレて行く過程で、どんどんテンションが下がって行く自分がいます。男に自殺を踏み留まらせる件などは、そんだけで?って思いました、正直なところ。ラストも中途半端だし。老トルコ人は、あの穴まで本当に向かうと思う?
少なくとも、これはキアロスタミにとってピークじゃ無い、ってのは思いました。
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