劇場公開日 2022年3月4日

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「中世風景の再現は見事!」王女メディア たいちぃさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5中世風景の再現は見事!

2023年4月14日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

ギリシャ悲劇「メディア」を主演マリア・カラスで映画化したピエル・パオロ・パゾリーニ監督作品。
「メディア」=「妻を裏切った夫への復讐劇」だが、中世風景を再現した映像は衣装・ロケ地など含めて、女の情念を描き切ったあたり、本当に見事!

ミノタウロス(上半身は人間、下半身は四つ足獣)の語りから始まり、王女メディアと周りの男達による「青年の生贄シーン」というシーンへ移るが王女メディアの「種に生命を与え、種とともに蘇れ!」というセリフから「五穀豊穣を祈る中世の儀式」と分かる。

ミノタウロスが語った国王の遺児が、国を乗っ取った叔父に「国を返して欲しい」と頼むと国王から「遠い所にある“黄金の山羊の毛皮”を取ってきたら国を返そう」と言われて金羊毛皮を探しに行く。
メディアと一緒に金羊毛皮を取って戻ると、国王には約束を反故にされた男はメディアと国外で愛し合う。
その後、時を経て、男がメディア以外の女性(ある国王の娘)と愛し合うようになったため、メディアは男への復讐を誓って……といった悲劇。

この映画では様々な音楽が流れるが、日本の三味線を使った音楽などは「えっ!」というささやかな驚きあり。

もちろん音楽だけでなく映像面でも意表を突かれる場面多数あり。
やはり、終盤がインパクト強烈だった!

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たいちぃ