エンジェル・アット・マイ・テーブルのレビュー・感想・評価
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繊細
「ピアノ・レッスン」のジェーン・カンピオン監督作。
90年代にレンタルビデオ(またはスカパーだったかな?)で鑑賞。本日映画館で再鑑賞。ミニシアターのナイスチョイス。
ニュージーランド出身の作家、ジャネット・フレイムの自伝的作品。
心が繊細なジャネット。人と関わるのが苦手なために、青春期に精神病院に送られ8年もいたことがあるという経歴を持つ。統合失調症と診断されるが、後に誤診と判明。
その一方で、幼い頃から詩や小説が好きで、才能が認められている。
変わった女性の物語だけど、人見知り、シャイなだけで、家族とはいい関係だし、今の時代なら彼女がかかるのは心療内科とかカウンセリングとかその辺りの領域じゃないかな。
無理矢理電気ショックを与え、ベッドに縛り付けておくような病気ではなかったろう。
人に対しては表現が下手でも、文章の上では表現することができる。自活のため職探し→うまくいかない、ひと夏の恋人には遊ばれた感などがあったが、最後は故郷で書くことに落ち着く。
そんな一人の女性の物語。
タイトルは検索するとリルケの詩から取った・意味は「希望」とネットに出てくるが、かわいらしい響きで好き。
好きなこと得意なことが、人はみな必ずあり、それを大切にしたいと思った。
ジェーン・カンピオンを何度でも好きになってしまう
女性の半生、
つまり性を知って、生理が始まり、
妊娠して、中絶するまでが刻々と描かれている。
さらには、精神病院のありのままを
これはやや情緒的に描いている。
社会がいかに酷いかを思い知るよね。
しかし、本作はずっとずっと
主人公に寄り添っていて、それはまた、
我々に寄り添っている事とも同等となる。
もうさ、父親のお金盗んで
我が物顔でクラスメイトにチューイングガム配る姿に
自分を重ねちゃったら、この映画の虜になってるよね。
子供自体のパート1に比べて、
パート2が本当に辛い。
子供心を持ったまま大人になるのが
いかにキツイかを描いてる。
詩や小説に目覚めるものの、一人の世界に閉じこもったために統合失調...
詩や小説に目覚めるものの、一人の世界に閉じこもったために統合失調症と診断されるジーン。教師の道へ上手い具合に進んでいたら、独創的な世界は生まれなかったのであろう。そして、出版社に認められなかったら病院でロボトミー手術を受けていたかもしれないと考えると恐ろしいことだ。
留学してからは、仲間うちでもナイーブと評され、友達のいない作家となっていたが、スペインで男と同棲し始めたら魔力が失われたのだろうか。結局、詩よりも小説で成功することになったみたいだし。
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