エンジェル・アット・マイ・テーブルのレビュー・感想・評価
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無垢な感性を描く宝物
冒頭の一本道に立つ少女の髪の赤と大地の緑のコントラスト。そして少女の表情。まず観客の心を掴んでいきます。
始終おどおどしているジャネット。もじゃもじゃの赤毛で内気で人見知り。過度の感受性を持つ。でも彼女は書く事で、そんな自分を克服していきます。姉に強要された詩の言葉選びは結局変えなかった。ここは譲れない。教師ではなく作家を選んだのは必然でした。
ジャネット・フレイムの自伝の映画化ですが、感動を誘うような構成ではなく、脈絡はあまり気にせず小さなエピソードを積み重ねていく手法がむしろ良かったです。
第二部は当時の精神疾患への無理解が生む厳しいパートでしたが、もっと極端な描写になりそうなところを、敢えて抑制していたと思います。実は誤診だったという事実もさらっと台詞で説明しただけでした。
第三部 スペインでの遊泳時の至福の表情と、彼から帰国を聞かされた時の表情は、普段のおどおどとは少し違う初めて見せる悲しみでした。
父親の死後、靴に足を通したり、外でひとりで遺品を焼いているシーン。情感があって良かったです。
ジェーン・カンピオン監督のこの後の活躍は目覚ましいのですが、初期の本作はピュアな感性が光る宝物のようです。
繊細
「ピアノ・レッスン」のジェーン・カンピオン監督作。 90年代にレンタルビデオ (またはスカパーだったかな?)で鑑賞。本日映画館で再鑑賞。ミニシアターのナイスチョイス。
ニュージーランド出身の作家、ジャネット・フレイムの自伝的作品。
心が繊細なジャネット。人と関わるのが苦手なために、青春期に精神病院に送られ8年もいたことがあるという経歴を持つ。統合失調症と診断されるが、後に誤診と判明。 その一方で、幼い頃から詩や小説が好きで、才能が認められている。
変わった女性の物語だけど、人見知り、シャイなだけで、家族とはいい関係だし、今の時代なら彼女がかかるのは心療内科とかカウンセリングとかその辺りの領域じゃないかな。 無理矢理電気ショックを与え、ベッドに縛り付けておくような病気ではなかったろう。
人に対しては表現が下手でも、文章の上では表現することができる。自活のため職探し→うまくいかない、ひと夏の恋人には遊ばれた感などがあったが、最後は故郷で書くことに落ち着く。
そんな一人の女性の物語。 タイトルは検索するとリルケの詩から取った・意味は「希望」 とネットに出てくるが、かわいらしい響きで好き。 好きなこと得意なことが、人はみな必ずあり、それを大切にしたいと思った。
ジェーン・カンピオンを何度でも好きになってしまう
詩や小説に目覚めるものの、一人の世界に閉じこもったために統合失調...
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