エリザベスのレビュー・感想・評価
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女王ケイト
思い出しレビュー46本目。
『エリザベス』
16世紀、25歳の若さでイングランド女王に即位したエリザベス一世を描く歴史大作。
単なる重厚な歴史劇じゃなく、政治的駆け引き、陰謀・策略渦巻くサスペンス仕立てなのが面白い。かなりスリリングでもある。
時代背景や宗教観など日本人には分かり難い点もあるが、豪華な美術・衣装、迫力ある映像・音楽で一気に見せきってしまう。
一級の歴史エンターテイメント。
何と言っても本作は、ケイト・ブランシェットという女優の誕生を、しかとこの目で見た。
本作の前にも何本か映画に出ていたが、間違いなく本作で大出世を果たし、その快進撃は今も続く。
突然女王となった戸惑い、初々しさ。
重鎮たちを前に、緊張の会議。
女として、恋もする。
様々な試練の中、次第に女王としてのし上がっていく。
その確かな演技力。
ラスト、国との結婚を宣言したその堂々たる姿には、圧倒的な凄みがあった。
以来19年、私はずっと女王ケイト・ブランシェットにひれ伏し続けている。
英国女王版「ゴッド・ファーザー」!
女王像を作った名作
体も心も、女王にふさわしい力強いエリザベスが形作られる過程を、明快に魅せてくれる。これを見た当時から、最早エリザベス女王はケイトブランシェットしか想像できなくなってしまった。久方ぶりに見直すと、映画の中身は全然記憶に残っていなくて、自分に、唖然としたが、そのために初めて見るように楽しめたのはよかった。映画としても歴史を知るにも最高の一本。
でも、本当のエリザベスはもっと小さくてヒステリックだったのかな、など最近は歴史を学び、自分なりに想像できるようになった。
ケイト・ブランシェットを見る映画
美術がすごい!
ケイトとエリザベス女王のカリスマ性
場面を描く劇的な演出優先で物語は二の次
総合:70点
ストーリー:65
キャスト:75
演出:75
ビジュアル:80
音楽:75
物語の展開をはっきり見せるのではなく、象徴的な場面を連ねて雰囲気を作り出している。戴冠式で王位を、舞踏会で結婚問題を、放置された死体の山で戦争を表現する。場面場面の動きを華麗に荘厳にまたは派手に描くことによって、物事を劇的にすることに心血が注がれている。
だがそれは時に劇がやりすぎというか大袈裟にも感じられ、歴史の流れを追うというよりも、劇的な劇の演出と雰囲気を楽しむための作品という気がした。背景や衣装は良く出来ていて映像は美しいし、出来事の場面それぞれは良いとしても、出来事の場面を繋ぎ合せて作られただけの物語は大雑把にも感じられて歴史物語としては不満も残った。
英国王室の『ゴッドファーザー』
変わらないことを
封切りのときに映画館でみたので大筋は覚えていたのに、それでも息を殺してみた。1人の女性が境遇に振り回されながら女王となり、強国や宗教上の敵、城にいる抵抗勢力と戦い、そして女として恋をする。ストーリーもすばらしいけれど、映像も配役も衣装もパーフェクトなので、字幕のハンディをまったく感じない。難は抵抗勢力へ反撃に転じるところが少し分かりにくいが、表現に制限があるのかもしれない。
この映画で描かれたエリザベスは、与えられた境遇も生きている時代もまったく違いながらも女性として共感できるところが多かった。与えられた境遇を生かせる術を知らなかったソフィア・コッポラが脚色したマリー・アントワネットも好きだけれど、できるならエリザベスのようにありたかった。いあちがうな、ありたい、だな。
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