「一人で飛び回り落ちた美しい蝶」獲物の分け前 Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
一人で飛び回り落ちた美しい蝶
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総合:65点
ストーリー: 65
キャスト: 70
演出: 65
ビジュアル: 65
音楽: 65
ジェーン・フォンダが美しく自由に生きる世間知らずのお金持ち役を演じる。まだ若きころの彼女の魅力的な肉体や美しさを押し出した作品だろうか。
だがお金持ちの彼女が溺れた愛の相手は夫の息子。そして盲目的になっている彼女は相手の本当の気持ちも確かめずに一人で突っ走る。相手が本当はどんな男なのかも理解しない。相手の社会的立場も気にしない。自分が愛している、そして自分が財産すら捨てて離婚して自由な立場になれば、相手にもそうしてもらえると決め付けている。
彼女には男を見る目も、自分だけでなく相手の立場を考えるだけの慎重さもなかったからの結末だろうか。愛も財産も失い生きる気力すら失い呆然とする彼女には、かつての魅力あふれる姿はなく憐憫を覚える。男に裏切られるなんてよくある話なのかもしれないが、結局何が悪くてこんなになったのだろうか。打算で結婚し夫を裏切った罰というには重すぎる気もする。最後は打算なしの純粋な気持ちからきた行動であるゆえにいじらしい。幸せを夢見て飛び回った美しい蝶の、ひたすら哀れな結末でした。
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