「ヘリオトロープ」獲物の分け前 jarinkochieさんの映画レビュー(感想・評価)
ヘリオトロープ
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温室でルネがマクシムとアンを見つけて
思わず 嫉妬でヘリオトロープの花を食べてしまう
この花はフランスでは〈恋の花〉という別名があるらしい
花言葉には「永遠の愛」の他に
「陶酔」「余韻」「甘い誘惑」というものもあった
これは耽美的傾向のあるヴァディム映画の小道具にうってつけ
毒もあるのだろうか
かっては花より精油を採って香水に
甘々になりがちなルネとマクシムのイチャつきを
年上の夫を演ずるミシェル・ピコリが締める
ちょっと怖いのは 息子に犬をけしかける場面と
彼と嫁の関係を知り、嫉妬するよりオスとして目覚めるみたいな処
後は穏やかな顔で 詰め将棋みたいに二人を追い詰めてゆく
資産家の娘だった彼女は銃の使い手でもあるが
画面では毛皮のコートや帽子、ダチョウの羽のガウンなど多用していて
狩られる側になってしまうことを暗示しているみたいだった
ギリシャ神話ではヘリオスに恋した水の精が
失恋の痛みで座り込み、ヘリオトロープに姿を変えたということらしいです
ラストのルネに重なりますね
ジェーン・フォンダは綺麗でした
〈わたしが一番きれいだったとき〉をヴァディム映画に刻んだ後
〈ハノイ・ジェーン〉になったりしたのは どういう心境の変化だったんでしょう
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