「嫉妬と誘惑の果てに到達するセックス哲学の最終結論」さよならエマニエル夫人 全竜さんの映画レビュー(感想・評価)
嫉妬と誘惑の果てに到達するセックス哲学の最終結論
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舞台をアジア圏から更に南国のセイシェル島に移し、ラテン系の開放感が、開眼した夫婦の性の快楽を大胆に盛り立てていくのが序盤のキーポイント
しかし、肉欲の楽園に新進気鋭の映画監督の訪問がきっかけで、エマニエル夫婦が築き上げたセックス快楽史上主義が激しく崩壊
情事に寛容だった夫が徐々に嫉妬し、エマニエルを取り戻そうと敵意を露わにする対立関係は昼ドラの源流とも云えよう
全編に渡り、濃厚な過激度で押し寄せる前作に比べ、セックスを哲学的に分解し、論ずるニュアンスが重んじられた展開は、おとなしめな印象だが、静と動の波の起伏が効くからこそ、エマニエルの心理のざわつきを的確に表現し、観る者の欲情を揺さぶっていくのである
純粋に男女が衝突する一途に追う模範的愛と快感を求める本能的なる愛が、渦巻く葛藤の果てに到達する真実のエロチシズムは、完結編に相応しいセックス哲学を説いていく
一糸纏わぬ磨かれたスレンダーボディが砂にまみれ、横たわりながら交わすシンフォニーの魅力に酔いつつ、改めてシルヴィア・クリステルの早過ぎる死を悔やみ、悔やみきれない
追悼の意を込めて
最後に短歌を一首
『波迫る 嫉妬と誘惑
揺らす舟 目覚めに沈む 一握の宵』
by全竜
恒例の
【ぽろりデータ分析】
《全編》95分
《お楽しみ時間/下着・水着etc.も含む》
約13分
《お楽しみ時間所有率》
13.7%
《プロポーション》
★★★★☆
《芸術度》
★★★★☆
《物語性》
★★★★☆
《エンターテイメント性》
★★★☆☆
《興奮度》
★★★★☆
《オススメ度》
★★★★☆
総合★23
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