英国式庭園殺人事件のレビュー・感想・評価
全3件を表示
全く理解不能な作品ではある。
ただ言えることは、
これは遺産相続事件なのだ。
そして当時、大流行していた英国風景庭園で殺害のない事件があり英国庭園を回顧するもので、
例の英国式ブラックユーモアが満載だった。
そのポイントは、
当時、女性に資産の所有権がなく、
それが開幕イントロに出てくる年号、
1694年に所有が認めらたことによるギリシア風喜劇にしたと思われる。
ところで、
1979年というと、
サッチャー政権が成立したということ。
つまり、犯人は腑に落ちる。
( ^ω^ )
英国式庭園殺人事件
The Draughtsman's Contract
イギリスの名匠ピーター・グリーナウェイが1982年に手がけた長編劇映画第1作で、
屋敷に招かれた画家が描き進める12枚の絵の中に浮かび上がる完全犯罪の謎を描き、
グリーナウェイの名を一躍世界に知らしめた傑作ミステリー。
17世紀末、英国南部ウィルトシャー。
画家のネビルは、広大な英国式庭園のあるハーバート家の屋敷に招かれる。
不在の主人ハーバート氏の代わりに彼を出迎えた夫人バージニアは、夫が旅から帰ってくるまでに屋敷と庭園の絵を12枚描いてほしいと依頼。
報酬は1枚8ポンドに寝食の保証、そして夫人はネビルの快楽の要求に応じるという。
契約を交わし、絵を描き始めるネビルだったが、描こうとする構図の中に、ハーバート氏のシャツや裂かれた上着など何かを暗示するような物が紛れ込むようになり……。
「マックス、モン・アムール」のアンソニー・ヒギンズが画家ネビル、
「ニコライとアレクサンドラ」のジャネット・サズマンがバージニアを演じた。
英国式庭園殺人事件
The Draughtsman's Contract
1982/イギリス
配給:JAIHO
幾何学的に計算された映像美
ペダンティックな監督としてグリーナウェイを苦手とする人は多いらしい。だがペダンティックの何が悪いだろう?グリーナウェイ作品を観る度に、隅々まで計算された2重、3重構造に唸らされる。1通りしかない(表面だけの)物語や映像よりも、探れば探るほど違う意味や仕掛けがある方が面白いに決まっている。とてもデビュー作とは思えない完成度、グリーナウェイはやはりただものではない。洗練された映像の中に秘められた幾何学的要素、物語のキーとなる数字。数学に弱い私には解説文を読み漁られなければ解らない謎がグリーナウェイ作品の最大の魅力だろう。難しいことはさておき、単純な頭で観ると、まず圧倒的な映像美に魅了される。タイトルにもなっている広大な庭園は手入れがゆきとどき、その風景を描くことに雇われた画家の描く製図のような写実絵画の直線的な美しさと相まって、格調高い美を形成している。そしてなにより、人物のファッションが見事だ。この屋敷の所有者家族とその親類や友人達と、外部からの闖入者である画家との対比が衣服によって明示されているのだ。白い衣装の親類たちの中に1人だけ黒い衣服の画家。この黒は、やがて起こる殺人事件を暗示する不吉な影なのか?しかし一旦殺人が露見すると、喪服をまとう親類たちの中で、だた1人、鮮やかな白い衣装で登場する画家・・・。この対比がグリーナウェイの仕掛ける逆転(2重構造)の手がかりなのだ。被害者が加害者に、傍観者が被害者に。これは、人間の欲望と強かさを優雅なヴィジュアルで浮き彫りにしたスキャンダラスな野心作だ。
全3件を表示