栄光への脱出のレビュー・感想・評価
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この頃のイスラエル共和国は『ハティクヴァ』が似合う国だった。
プロパガンダそのものになっている。これで、アメリカ合衆国はイスラエル共和国を支援している事を実資表明した。
それは兎も角、私がこんなプロパガンダ映画を何故高評価するのか?
第一に脚本家や役者の反骨精神を評価してのことなのだが、この映画公開の後の1962年に『アラビアのロレンス』の封切りがあった。『アラビアのロレンス』はイギリスから見たアラブの話であった。それに対して、この映画はアメリカ人から見たユダヤ人と言う事になる。つまり、全く逆のプロパガンダ映画とも言える。さて、そう言った影響もあってか、この映画は一般的にはあまり評価はされなった。しかし、一方の『アラビアのロレンス』は賞まで取ってしまう評価のされよう。だが、イデオロギーや歴史的な解釈も含めて、この二つの映画の力量や質に雲泥の差があると私は解釈した。何故なら、どちらも誇張された作られた戦争活劇だと思うが、この映画はただの英雄を描いていない。ポール・ニューマン役は英雄でないし、殉死した人達に対する英雄視も強調していない。シオニズムに扇動されたユダヤの民のナショナリズムがみなぎっている。白色テロと言うよりも『アルジェの戦い』の様な植民地からの独立闘争として捉える事が出来る。立派なナショナリズムなプロパガンダ映画だが、1960年の時点では仕方ない事だと私は判断した。
牢屋からの脱出はマカロニ・ウェスタンの『南から来た用心棒』やフェルナンド・サンチョの活躍するメキシコ革命を題材にしたマカロニ・ウェスタンに大いに影響を与えていると思う。と気が付いた。なぜ今頃申すか?実はこの映画初見だった。我が親父がこう言った偏向映画は見るなと言っていた事を思い出した。今になっては中東の元凶かもしれないが、当時のイスラエルとパレスチナの関係では仕方ないと私は判断する。それを踏まえて評価したい。
さて、また、
感心したのはエキストラの数である。一万人以上はエキストラとしてこの映画に参加していると思う。一つの映画の為だけにこれだけのエキストラを揃えた演出はさすがアメリカ資本と感心した。
傑作なんじゃないかなぁ?
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