劇場公開日 1971年7月17日

「「グラン・プリ」との比較で鑑賞したが…」栄光のル・マン KENZO一級建築士事務所さんの映画レビュー(感想・評価)

1.0「グラン・プリ」との比較で鑑賞したが…

2021年9月7日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

子供の頃、小学館「ビッグコミック」の
前身雑誌「ボーイズライフ」では、
F1、ル・マン、インディ、日本グランプリ等
のスポーツカーレースの記事に夢中になった
者として、少し前に同じNHKBSで放映
された「グラン・プリ」との比較で鑑賞。

映画開始早々、レースが開始され、
F1と違いル・マンは転戦のレースでは無い
ので、どの合間で男女の恋愛シーンを
描くのかと思ったら、ル・マンはドライバー
の交代システムなので、なる程、その合間に
描くのかと納得はしたものの、
主人公が別のレースでの接触事故で死なせた
ドライバーの妻との惹かれ合いが
どうして生まれたのか、
また、彼女への想いがあるにも係わらず、
レースの最終版で主人公が
味方のチームを勝たせるためとは言え、
ライバルチームのマシーンへの接触走行が
どうして出来て、しかも
その女性と、さも、想い合えるか如くの
ラストシーンがまるで理解不能だ。

解説によると、当初は「荒野の7人」
「大脱走」のジョン・スタージェスが監督
だったようだが、
ストーリー性に重きを置きたい監督と、
ル・マンそのものを描きたいマックイーンが
対立して監督が交代した作品とあった。

結果、「グラン・プリ」と比較して、
クラッシュシーンを除いて
レースシーンの迫力も及ばなかったし、
人間ドラマも希薄で、
カーレースオタクのマックイーンの
嗜好が全面に出た、かつ、ある意味、
ル・マンの記録映画のようでもあった。
しかし、映画ファンとしては物足りなくも、
スポーツカーレースファンにとっては、
ル・マン24時間レースの雰囲気・臨場感
そのものを満喫出来る、たまらない作品
だったのではないかと想像もした。

KENZO一級建築士事務所