運動靴と赤い金魚のレビュー・感想・評価
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泣き虫にいちゃん
イラン映画だが、なんだか昭和の日本にも通ずる感じがした。ボロボロになった妹の靴を、靴屋さんに修理してもらったのに、うっかりゴミとして回収されてしまった。それを正直に親に言えないつらさよ。自分の靴を妹と共有したり、失くした靴を他の女の子が履いてたり、賞品(もちろん靴)目当てでマラソン大会に出たり、靴一足でこんなにドラマになるとは。
こども達みんなかわいくて、抱きしめてあげたくなった。主人公アリが何かっちゃー泣くけど、妙に腹が据わったところもおもしろい。一生懸命走って、足が傷だらけになってしまったアリ。素足になって水で冷やしてたら、その傷を癒やすかのように金魚が集まってきた。絵本のようだわ。
ささやかな「事件」のために、少年がけなげにがんばる、優しい映画だった。
BS松竹東急の放送を録画で鑑賞。
初めて見たイラン映画(2003年当時)
イランの文化・生活習慣の違いも少しだけわかったし、驚いたのが溝が道路の真ん中にあること(側溝とは言えない)。そして石油産出国だけあって、貧富の差はすごい。
日常の他愛も無いイランの風景。貧しくはあるが庶民的な生活の中に愛情がたっぷり感じられる。先ずは兄妹愛。そして父と息子、母と娘。学校ではアリは優秀なので先生の愛情も感じられた。
マラソン大会では後半、かなりのデッドヒートになるのだが、アリはよく頑張った!3位を狙っていたのに1位になってしまうとは・・・残念そうに帰宅するときのアリとザーラの表情がとにかく演技賞もの。金魚が癒してくれるシーンはゾクゾクするほど気持ちがいい。また父親が2人の靴を買ってくれるところでは涙があふれてきた。
この手の庶民派映画には笑いがつきもの。見事に作られていました。それにしても、子供が2人主役ですよ、これ。子役なのに上手すぎます!イラン映画侮れないと感じた。
兄妹の姿や、ご近所や商店との関係性に懐かしさを覚えてしまう、ホッとする映画。
お兄ちゃんと妹のやり取りがとにかく可愛らしい映画。
たった1足しかない妹の靴、しかも修理してもらったばかりの靴を無くしてしまい、必死に探すアリ。
そして大切な靴を無くされ、両親にそのことを言いたいが、泣きながら謝るお兄ちゃんが叱られることを可哀想に思い、お兄ちゃんのボロ靴で登校し、お兄ちゃんの登校の為に全力で走って帰る妹の姿にほっこり。
3位になれば靴を貰えるマラソン大会の選手になんとか選んで貰えたお兄ちゃんが、途中転ばされたりしたこともあり、トップでゴールしてしまった結果、インタビューや写真撮影で涙を流しているのも可愛らしい。
お父さんがそんな二人の為に靴を買ってくれているなんて知る由もなく、落ち込んで帰ってきたお兄ちゃんと、その姿を見てガッカリした妹が揃って家に入ったところで映画は終了。
買ってきてくれた靴を兄妹が見て、履いて、はちきれんばかりに喜ぶ笑顔も見たかったけれど、あえてそのシーンは観客の想像に任せて終わるという終わり方も、心地よい余韻を感じられて素晴らしい。
昭和の、戦後の日本の家族の、下町のテイストがギュギュっと詰まったような映画で、見ていてとても愛らしくほっこりして癒された。
疲れた時に観たい、心温まる1本です。
原題は「天国(楽園)と子供たち」
繊細で純粋な子供心に終始感動
忘れてた子供時代が蘇った
暖かい気持ちになった
赤い金魚は、イランでは新年を迎えるときの縁起物として用意するものらしい
赤い金魚は最後にでてきた靴ばかりか、アリの将来を予期させているのかも
そして頑張ったアリの足に、赤い金魚が慈しむという美しいシーンは素敵だった
パパは何も感じず受け入れていたが
格差やマラソン大会での不当を目の当たりにしたアリのような子供たちが次世代を担い、活躍することを願う
貧しくても暖かい
妹の靴をなくしてしまった お兄ちゃん
その靴がなければ 学校へ行けない
日本の子どもたちは一人何足靴を持っているのだろう
ここに出てくる兄妹は
たった1足しか靴がなく 親にそのことを言っては
親に迷惑がかかるからと 内緒にする2人
そしてお兄ちゃんの靴を変わりばんこに 履いて
それぞれの学校へ登校する2人の様が描かれる
貧しくても
お母さんが腰を痛めて動けなくなっても
お手伝いをして 家族でよりそい暮らしている
姿は観ていて心がじーんとする
2人の子どもの姿がなんとも 微笑ましい
3等になって、お前に靴をやる
映画「運動靴と赤い金魚」(マジッド・マジディ監督)から。
「製作国・イラン」と知って、好奇心旺盛の私は、
右から左へ書く「ペルシャ語」(?)に目を奪われながら、
家族愛・親子愛に代表されるアガペーと呼ばれる「無償の愛」を
兄妹愛にも感じ、幸せな気分を味わうことが出来た作品である。
貧しい生活の中にも、なぜか温かい優しさが溢れ、
鑑賞後、日本にもこんな時代があったのだろうか、とメモした私。
この作品を思い出すには「3等になって、お前に靴をやる」と、
妹に約束する兄の台詞で充分である。
(もちろん、邦題の「運動靴と赤い金魚」でも思い出せるが・・)
物語を文字にすると、ものすごく薄っぺらな感じになりそうなので、
今回の作品ほど、観て何かを感じて欲しい、と思うことはない。
ラストシーン、疲れ果ててボロボロになった足を、
家の前の池に入れて、その周りを金魚が・・
この解釈も、たぶん鑑賞者にまかされているのだろう。
お父さんが買ってきた、兄妹別々の2足の新しい靴。
渡された時の、2人の満面の笑顔が目に浮かぶからこそ、
この映画監督の優しさが際立ってくる。
アクション映画ばかり観ないで、たまにはこんな作品を観て欲しい。
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