劇場公開日 1962年4月21日

「悪い種子に並ぶ恐ろしい子ども」噂の二人 galarinaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5 悪い種子に並ぶ恐ろしい子ども

2025年11月12日
PCから投稿

オードリー・ヘップバーンとシャーリー・マクレーンという二大女優映画なのに
とんでもない鬱映画だった。
品行方正なお嬢様を育てる学校にひとりの恐ろしい子ども。
わがままし放題の彼女は、なんと経営者である女性教師ふたりが
レズビアンの関係にあると祖母に嘘をついてしまうのだった。
憶測が憶測を呼び、女性教師二人は社会から追い詰められてゆく。
まずこの子役は「悪い種子」を思い出す。子どもの顔をつけた悪魔。
嘘つきなだけでなく、人を支配する術を本能的に身につけている。
その後の展開も恐ろしいのなんので、鬱映画の名作リストに入れねばなるまい。
惜しむらくは、演出がヘプバーンを前面に出そうとしていること。
今見ると、痩せぎすのヘプバーンの方より
シャーリー・マクレーンの方が何倍も愛らしく魅力的だ。
手前に人物のアップを入れたギョッとするほどオーバーな
遠近法のショットが実に不気味でいつまでも脳裏に残る。

galarina
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