ウエスト・サイド物語のレビュー・感想・評価
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暗黙の了解
スラム街でやんちゃな若者がジェット団とシャーク団に分かれ、縄張り争いの喧嘩をする。そしてジェット団の兄貴分トニーとシャーク団のリーダー・ベルナルドの妹マリアが禁断の恋をしてしまう。激化する抗争、二人の愛の行方は…。
喧嘩のゲーム性を守るために、リーダー同士がルールを取り決めたりするのがかっこいい。そして喧嘩の本当の敵は警察であることも暗黙の了解である。だから警察に誰に怪我を負わされたか問い詰められても一切敵の名は明かさないのである。
スラム街のジェントリフィケーションは、スピルバーグ監督作品の方が如実に示されているが、それに対抗するためには団といった仲間意識で形成されるコミュニティが有効である。
ただコミュニティは警察で表象される国家の暴力で容易く根絶されるし、二人の愛の結末からも永くは続かない。
トラブルで
65年経ってもアメリカの問題はそのまま
「午前十時の映画祭」で見ました。小さいスクリーンとはいえ、ほぼ満席。
ニューヨークの裏町の風景とバレーっぽいダンスがカッコよくて、違和感なく意外とマッチしますね。バーンスタイン作曲の音楽も躍動感のある曲が多く、最後は悲しい展開ですけど、ワクワクするシーンが多いですね。
人種差別、移民問題、経済格差等、65年経ってもアメリカの状況は変わらないので、今見ても決して古く感じません。変わらないことの方が問題ですけどね。
仕立屋でマリアをはじめとする縫子が歌っていた後に、オーナーがそれを叱るのですが、それに対して縫子が「ミシンはシンガーだ」というセリフに笑ってしまいました。
主役の2人とも、歌は吹き替えになっていたそうですが、見事なリップシンク。
マリアのナタリー・コール以外、メインキャストの4名は90歳前後でご健在だそう。
この映画がきっかけでジャニーズができたそうなので、その後のことを思うと、考え深いです。
「トゥナイト」「マンボ」「クール」など、お馴染みのナンバーが聴ける名作ミュージカル映画
リアルタイムでは観ていないのですが、テレビで観て圧倒され、初めて買ったビデオが本作でした。
一般教養の一つとして知っておいてもらいたいと、中学生となった息子にも見せたところ、とあるシーンで質問が。
ダンスパーティーでトニーとマリアが初めて出会い、お互いに「あなたしか見えない」となる場面。
「これはどういう意味?」と聞かれ、一生懸命説明したのも懐かしい思い出です。
今回、「午前10時の映画祭」という企画で、映画館での観賞が叶いました。
オープニング、空撮からのズームインは、サウンドオブミュージックと同じ。ここでまず、「おお」となりますね。
ジェッツとシャークスとの乱闘となり、パトカーが到着、笛がピーっとなるまでノンストップ。ここまでが圧巻です。
2021年にリメイク版が公開されましたが、個人的には旧作を越えていないと感じました。
オリジナル版の音楽はとても疾走感があり、どんどん前のめりで進んでいく印象。
リメイク版の演奏には、それが欠けているように聴こえました。
話の筋は、「現代版ロミオとジュリエット」。これまでは、そうとしか見えなかった。
ところがなぜか、今回は、「戦争」に、見えてしまった。
「素手で戦うはずが、ナイフや拳銃を持ち出し、取り返しのつかないことが起こる」が、「話し合いが決裂し、戦争となり、最終兵器を使用する事態になる」と重なって見えました。
世の中の変化が、そうさせるのだとしたら、とても残念なことです。
名作の称号はダテではないのだ
ミュージカルです
のっけからジェット団とシャーク団のいさかいが始まる
それも踊りを交えて街中を走り回るのだ
やはりそうなのかと
セリフが出てこない
喋るのは警官と刑事ばかりだ
見ていて焦ってきた、このまま三時間、私は耐えることができるのだろうか
全編こと調子だと辛すぎる、ずっと踊りと歌でストーリーは進んでいくのだろうか
内容はだいたい見当がついてきた、予測は出来るのだ
やがてマリアとトニーが登場する
2人の出会いがこの物語を一変していく
歌は次第に心地よくなっていた
人の感情を歌にするとこうなるのだろう
古い作品だからとてもシルプルだ
そういえば私は『サウンドオブミュージック』は嫌いではない
『リトルショップオブホラーズ』1986は大のお気に入りだし『ブルースブラザース』は私のバイブル的な作品ですらある
みんなミュージカルではないか!
この『ウエストサイド物語』もその世界にいつのまにか取り込まれて楽しんで見ているうちに途中休憩になったのだ
『七人の侍』のように昔の時間の長い作品は休憩があるからいい!
安心してコーヒーをいただけるのだ
おじさんは長時間の拘束になると色々と心配事が多くなるのだ
後半のストーリーもあらかた思い描いた通りではあるがもはや作品の魅力に取り込まれた私になんの障害もなくアッサリと感情も持っていかれてしまったのだ
さすが長年に渡り「名作」と言われ続けたことはある
私のつまらないこだわりなど木っ端微塵に砕け散りスクリーンの中へ没頭できたのだ
スピルバーグにできることは多分あまりなかっただろうね。
何せ70mm用キャメラをぶん回して撮影したフィルムだし、1961年の作品とはいえオリジナルからしてステレオ音声だし、音楽はバーンスタインだし、これをリメークするというのはどこに手を付けるのよっていう印象です。
今回久しぶりに観て、前半の群舞シーンが割と平板かなという印象を受けた。カメラの使い回しに制限があってカメラ位置をあまり色々動かせなかったのだろうけど。
ただ、後半に入って、楽曲でいうと「Cool」あたりからドラマが一気に緊迫感をはらんできてショットもつられて凄みを増してくる。
そもそもこれはMGMのミュージカルです。ストーリーがつまんないとか、2日間で命がけの恋愛ストーリーが始まり終わる感覚が現代人には理解できない、との評価もあったが、そもそもMGMミュージカルは単純なボーイミーツガールのストーリーに素晴らしい楽曲とダンスが乗っかるスタイルです。そしてジェローム・ロビンスの映画デビュー作「On the Town」(踊る大紐育)がまさしくそうだったように主人公たちのOne Day、1〜2日間で起こる出来事をテーマにすることが多い。だから、この作品もMGMの伝統にのっとってボーイミーツガールから始まるわけだけど、そこはロミオとジュリエットが下敷きとなっているだけに悲劇的な推移がすぐ訪れる。
「クール」以降の悲劇性の畳み掛けが凄いのです。ドラマとして見応えがある。さすがに達人ロバート・ワイス。ロミオとジュリエットは二人とも死ぬのだけど、この映画では恋人たちの片方しか死なない。悲劇性という意味ではそちらの方が深い。だから最終ショット、遠景での長回しで登場人物が一人一人去っていくところ、カタルシスをまさしく映像化したような場面に毎回、息をのむのです。
見るの何回目だろう?
オープニングが1番好きな映画
永遠のテーマ
抗争に明け暮れる人々と後悔に至るまで
シェイクスピアの戯曲を現代に蘇らせた
ブロードウエイ・ミュージカルの映画版。
21世紀に生きる我々にも通じるテーマ
舞台劇をシャープな映像に収め支持を得た
60年代はロバート・ワイズ監督の黄金期
持て囃される監督のひとりになった。
作曲はレナード・バーンスタイン
クラシュック界の巨匠が何故、と思うが
50年代には本作含め舞台ミュージカル作品を手がけている。
楽曲はディズニー調のようなチャーミングなものも多く
壮大含めジャズやポピュラーに詳しいものも多い。
シェイクスピアの描いた世界
現代に通じるクールさを求めて
若い俳優たちや優れた製作陣の映画
原作含め悪い作品でないことは事実
時代を超えた彼らの心の叫びを聞くのも良い。
※
子どもの頃の記憶が残っている
いつ見たかも思い出せないくらいの年月が空いての再観賞(たぶん子ども時代の金ローとか)
それでも冒頭の指パッチンと『トゥナイト』のメロディの記憶はおぼろげながら残っていた
それだけでもすごいことだと思わない?
ポーランド系のグループ「ジェッツ」
プエルトリコ系の「シャークス」
二つの不良グループがN.Yマンハッタン島の一角で争い合っていた
そこに吹く恋の風。シャークスのリーダーの妹と、ジェッツの元リーダーが一目惚れからあっという間に恋に落ちたのだ
周りから「やめろやめろ」と言われても二人の熱が下がるはずもなく・・・
知ってる人には今さらだけど今作は『ロミオとジュリエット』がそのまま元になっていて、家同士の対立を不良グループ、そして移民という要素も混じえて現代に置き換えた物語になっている
1961年の今作もさることながら、設定とあらすじがほぼそのままでも通用するシェイクスピアの物語作りの強度に改めて感心できる一本
ミュージカルに抵抗なければ人生一度は体験してみるのも良いものですよ
OPのミュージカルシーンが凄まじい!
ミュージカルの革命‼️
シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」を、ニューヨークのスラム街に舞台を移して映画化したミュージカル大作‼️上空から写されたニューヨークの街並み、カメラがぐんぐん下りていき、そして聞こえてくるのは彼らが鳴らす鋭い指の音‼️素晴らしく斬新なオープニングですね‼️レナード・バーンスタイン作曲による「マリア」「トゥナイト」といった名曲たち‼️きびきびとしたスタイリッシュなダンスの振り付け‼️ジョージ・チャキリス、リタ・モレノをはじめとする出演者たちの魅力‼️ミュージカルに革命を起こしたと言われる作品です‼️が、しかし‼️フレッド・アステアやジーン・ケリーを愛する私にとって、あまりお洒落な感じはしないし、ドキドキもあまりしない‼️初見から35年くらい経ちますけど、映画史的に見た場合、私が思うに「ウエスト・サイド物語」からミュージカルっていうのは楽しくなくなりましたよね‼️良くはなったかもしれませんが・・・‼️やっぱりミュージカルはMGMだな‼️
アメリカの分断(人種差別で引き裂かれる恋人たち)を描いた不朽のミュージカル映画
1961年作のミュージカル映画です。
ブロードウェイで1957年から上演されているミュージカルを元にし、
またストーリーはご存知「ロミオとジュリエット」の現代版ですね。
ニューヨークのウエストサイド・マンハッタンが舞台。
シャーク団=プエルトリコ系アメリカ人少年の不良グループ。
ジェット団=ポーランド系アメリカ人少年の不良グループ。
2つのグループの対立が、縄張り争いから《決闘》になり、ナイフを持ち出した少年がいた事から
悲劇が起こります。
シャーク側のマリア(ナタリー・ウッド)と、
ジェット団側のトニー(リチャード・ベイマー)2人の燃え上がる恋の炎。
移民間の対立から祝福されない恋の悲劇。
2階の窓辺のマリア、外階段途中のトニーが歌う「トゥナイト」
最高に美しいシーンそして歌声です。
アカデミー賞10部門受賞との事ですが、素晴らしいです。
装置も舞台的ですし、撮影したショットは一枚一枚絵であり写真になります。
「トゥナイト」「アメリカ」「マンボ」「クール」「マリア」と、これだけヒットした名曲揃いなのも
驚きます。
作曲はレナード・バーンスタインですから、当たり前と言えば、当たり前(笑)
ダンスはジョージ・チャキリスですよ!!
本当にポジション取りの完璧な事。
今だに両手と片足を高く上げたスチール写真は鳥肌ものです。
完璧に美しいですね。
ナタリー・ウッドなどの歌はプロ歌手の吹き替えですが、
マリアの曲を歌ったマーニ・ニクソンの澄んだ伸びやかな歌唱。
彼女の声有ればこそ。
彼女の貢献は絶大です。
(日本語吹き替えのジョージ・チャキリスの声はなんと沢田研二。よく引き受けましたね)
今観ても最高のミュージカル映画。
スティーヴン・スピルバーグのリメイク版も評判が良いので早く観たいです。
温故知新、楽しく見識が広がります
オリジナルも面白かったぞ
ミュージカルなミュージカル
ミュージカルの中でも「歌と踊り8割ドラマ2割」の作品ですので、登場人物の描写や物語性は二の次です。この頃のミュージカル作品は、今のようにドラマ展開や映像の工夫で多面的に楽しませるタイプではなく、ひたすら歌と踊りが続く「純粋ミュージカル」なので、ストーリー性や映像美を期待する人には向きません。登場人物もダンシングマシーンなので、感情移入もできません。
私も典型的なミュージカル敬遠者なので、さほど面白いとは思いませんが、以前観た時よりは少しマシでした。
いずれにせよ、ミュージカルは普通のドラマ映画と違ってダメな人はハナから無視するので、観た人イコール好きな人、故に平均点は高くなる傾向がありますのでご注意。
リメイクに合わせて、30年ぶりに再観賞
リメイクを観る前に、30年ぶりに再観賞しました。
以前は、いいと思えなかったのですが、大人になって観たら、意外や意外、楽しめた。
昔、オシャレなカフェのモニターで、この映画が無音で流れてましたね。
オシャレなイメージのオシャレな映画です。
エンドロールも、すごくオシャレです。
ジェッツとシャークスって不良グループが戦う映画ですが、ジェッツもシャークスも同名のバンドがいますね。
どっちもロカビリー系のバンドなので、この映画から命名したのでは?
他にも音楽トリビアですが、
トム・ウェイツが「SOMEWHERE」
クロスファイヤーが「COOL」
を、それぞれカバーしてます。
スピルバーグは、このミュージカルのレコードを親に買ってもらって以来、この音楽が大好きらしいです。
リメイクは良かったけど、コッチのオリジナルも良いです。
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