劇場公開日 1992年10月3日

「急展開の連続で尺が足りてない」インドシナ つとみさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0急展開の連続で尺が足りてない

2025年4月20日
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鑑賞方法:VOD

フランス人とインドシナ人、古い風習にならって生きる人と新しい価値観の人、この4つの組み合わせで起こる対立と独立の物語であり、搾取する側とされる側の対立と独立の物語でもある。
ある意味で母と娘の対立でもあり、各所に次々とわき起こる対立は数え切れないほど。何かずっと誰かと誰かが争っているような状態だ。
それらの連続が本作の醍醐味であり、娯楽性を生む。激動の時代に翻弄されるキャラクターを見ているだけでも面白い。

米アカデミー賞の外国語映画賞を受賞しているが、外国語作品が受け入れられるようになった現代アメリカなら作品賞もいけるかもなという作品。
過剰なほどドラマチックで壮大、内包されている歴史的な出来事もいい。

少々古い作品ながら中々面白く観たわけだが、しかしながら、割と大きな問題点がある。
何か変化があって、状況と心情を理解する間もなく次の変化が起こる。そんな急展開の連続で、2時間半以上ある作品にもかかわらず尺が足りてないのだ。
厳密には、理解はできているけれど、自分の中で咀嚼しきれていない感じだろうか。
観ながら分かっていくけれど、10分前のカミーユの気持ちは…なんて考えることになってしまうのだ。
カトリーヌ・ドヌーヴ演じる主人公が、誰かに昔話を語っているところから物語が始まる。一体誰に、なぜ、語っているのか、それは中々興味深い謎だが、そのことに気付きはしても考える余裕がない。
5時間くらい必要な内容だったなと思うと同時に、5時間あったらあったで退屈しそうでもある。

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つとみ