劇場公開日 2024年11月8日

イル・ポスティーノのレビュー・感想・評価

全31件中、1~20件目を表示

5.0生きる喜びについての映画

2024年11月30日
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鑑賞方法:映画館

4Kリマスター版が上映されるということで、中学生の頃に見て大感動して以来の再視聴。当時は映画をたくさん見始めた頃で、この作品は自分にとっても映画を見るという体験の「原風景」の一つを構成している作品でもある。主演のマッシモ・トロイージが撮影終了12時間後に息を引き取ったというエピソードとともに語られることの多い作品だが、彼が演じた主人公の結末ともリンクするために、一層伝説化した側面がある。
だけど、そういう予備知識による上げ底すら必要ないほどに美しい映画でもある。南イタリアの小島の風景が本当に美しい。ここには豊かな自然と人のコミュニティがある。失業中の主人公は、チリから亡命してきた詩人パブロ・ネルーダ専任の郵便配達員となり、彼から詩の素晴らしさを教わる。人が言葉を覚えた瞬間、新たな視点、新たな知識を獲得した瞬間の喜びがこの映画には刻まれている。何かを知るということは素晴らしいことなんだとこの映画は教えてくれる。
死の悲劇よりも、新しく何かを知る喜びがスクリーンいっぱいに映されていることよってこの映画は「名作」と言われるべきだと思う。

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杉本穂高

4.5この映画に触れるたび、私たちの心は海風をたゆたい、詩人になる

2024年11月29日
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鑑賞方法:試写会

この映画に触れるのは何十年ぶりだろうか。あの穏やかな空気、打ち寄せる波、登場人物らの豊かな個性に触れながら、薄オレンジ色の温もりに包まれていくのを感じた。私がいつも心奪われるのは、マッシモ・トロイージ演じる朴訥な郵便配達員マリオが自らの感覚で言葉を紡ぎ、素朴な描写を口にする場面。ノワレ演じるパブロ・ネルーダはすかさず言う。「そう!それが詩だ!」。誰もが詩人であり、その感覚を秘めている。言い換えるならそれが個性であり、感受性であり、人間として脈打ち、美しいものを美しいと感じ、生きている証。パブロがメタファーという手法をそっと授けることで、思いや言葉は途端に羽根を広げ空を飛び始める。その鮮烈さと幸福。そして全編が数年に及ぶ交友録、はたまた数行の詩にすら思える本作が、トロイージの遺作となったことに何とも言えない感情が込み上げてくる。彼の思いと表情は永遠に生き続ける。彼こそ真の詩人であり表現者だ。

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牛津厚信

4.0Head-Spin out of Modern Chaos

2024年10月31日
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鑑賞方法:試写会

A quiet film on a postman who finds an unlikely friendship with an exiled poet. Conversations inspire him to pursue a romance with borrowed words. It's an interestingly imaginative tale on cosmically inconsequential romance. It ends with unanticipated political turmoil reminsicent of Z. A cross-continental production that earned five Oscar nods. Old-fashioned indie unlike contemporary films.

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Dan Knighton

3.5終盤に差し掛かって、目が覚めた

2025年1月14日
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鑑賞方法:映画館

主役のマリオを務めた俳優、マッシモ・トロイージが映画化を熱望し、脚本も書いたと言う。しかし前半は、まるでおとぎ話のようで、心は全く動かなかった。何よりも、主役に元気がないことが気になった。ところが、終盤、映画は急に展開する。

マリオのことを最初に「詩人」だと言ったのは、愛する恋女房ベアトリーチェだった。イタリアに亡命し、島に滞在していた詩人であり政治家でもあったチリのパブロ・ネルーダに郵便物を運ぶための臨時の郵便配達人(イル・ポスティーノ)を務めて、彼に署名入りのノートをもらったのに、1行の詩も記すことができなかったマリオは即座に、自分自身を卑下して、詩人ではないと答えた。

しかし、彼の中では、パブロが去った後も、大きな変化が起きていた。マリオは、パブロの詩を読んだ最初から、詩に大きな魅力を感じていた。しかも、詩の意味を直ちに理解して、詩は書いた人のものではなく、必要な人のものだとパブロに告げ、彼を驚かせていた。

確かに、すぐに詩を書けたわけではなかったが、パブロが去って1年が経ち、彼が島に残した荷物を送り返すときになって、詩人としての資質が、吹きこぼれるように立ちあがってきたように思えた。マリオは、パブロが残したものは、島だけが持つ美しさ、島に寄せる波、風、漁師であった父が扱った網、教会の鐘、星空であったと気づき、郵便局長のジョルジョと協力して、それを録音するうち、心の中に詩が芽生えて来るのだった。マリオが、急に輝いて見えた瞬間だった。

映画を見ていて、心惹かれたこと、これまで見たこともないテープレコーダーが出てきた、コンパクト・カセットのように見えたけれど。フィリップスか、ソニーか。

映画を見終わってから、マリオを演じたマッシモ・トロイージは、クランクアップの12時間後、急逝したと知って驚いた。心移植が予定されていたそうだから、治療のない心筋症だろうけれど、それは当時の映画人たちの心に突き刺さったに違いない。

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詠み人知らず

4.5時を経ても色褪せない名作とはこのこと

2025年1月11日
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海沿いのイタリアの美しい街並みと人々の営み、恋や友情など織り交ぜた良質な作品。

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あさき

4.5海、詩、建物、音、人。どれもが完ぺきな素材。

2024年12月28日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

幸せ

この時代の映画の凄さを、見せつけられるような。
イタリアの小さな島の日常に潜む現実。かと思えば、その日常に散りばめられた素晴らしさ。
気づかずに、あるいは目を背けていたところを、詩という方法が光をあててくれる。
退屈な日常に彩りを見つけたポストマン。
彼の変化していく内面が、こころの機微の表現が素晴らしい。
多くの語りを知る前に、見たほうがよい。
美しい。映像も言葉も。
そして、多彩に変わる表情と変わらないものたちの対比。
まいったな〜

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ミツバチば~や

4.5歴史的名作! 4K修復のこの機会に見て良かった!!

2024年12月15日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

幸せ

見終わったあとも余韻が消えず、心に深く刻み込まれる作品でした。舞台のイタリアの小さな島、純朴な主人公マリオの成長、世界的詩人パブロ・ネルーダとの交流を通じて、言葉が人に与える力を鮮やかに描き出しています。

1. 郵便配達人──「言葉」の架け橋

主人公マリオが郵便配達人としてパブロ・ネルーダに手紙を届ける役割は、時代や場所の象徴そのものです。ラジオもテレビもましてやインターネットもない島では、手紙が唯一の世界とつながるメディアです。
マリオが手紙を届ける行為は、詩人ネルーダにとっても外界との接点を保つ重要な仕事です。マリオはネルーダとの交流を通じて、表現を学んでいくことになります。

2. 主人公の成長と「詩」の力

物語の核は、主人公マリオの成長です。無口で未熟なアラ30未婚男性だった彼が、ネルーダとの交流を通じて詩の技法「隠喩」を学び、表現を得ていく過程がとても感動的でした。詩人としてのネルーダがただ一方的に教えるだけでなく、マリオ自身の純朴な感性がネルーダの心をも動かしていく対等な関係もまた見どころです。

主人公は表現の獲得によって恋を実らせるだけでなく、それは同時に自分の島の美しさや人生の意味に気づくことにもつながっていきます。言葉とは表現の手段であるとともに、自分の内面に感動を生み出すものでもあるということを教えられた思いです。

3. 主演脚本のマッシモ・トロイージのその後

この映画を語るうえで、主演・脚本のマッシモ・トロイージの存在を欠かすことはできません。彼は心臓病を抱えながらも、手術を延期してまで撮影に挑み、撮影終了直後にその命を落としたことを、見終わってから知りました。
彼の命懸けの挑戦が、映画に込められたテーマ「表現を獲得すること」と深くリンクし、この作品が、彼の遺言でもあり、生きた証でもあり、世界に残した貢献でもあることに衝撃を感じています。
映画を観た後に彼の背景を知ったことで、作品の余韻はさらに深くなり、感動と切なさが入り混じった特別な一本になりました。

4. 人に何かを「伝え残すこと」の意味

『イル・ポスティーノ』は、単なる物語以上のものを観客に届けてくれる作品です。「何かを誰かに伝え残すことの意味と価値」とは何か。それが受け取った人に与える勇気や人生への気づき、人とのつながりへの感謝。

マッシモ・トロイージの人生そのものが映画に重なっており、この作品は観た人それぞれの心に「言葉」として残り続けるものだと思います。

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ノンタ

1.0私にイタリア映画は向かないことがよくわかった

2024年12月4日
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寝られる

世間的に大絶賛されてる「ニュー・シネマ・パラダイス」しっくりこなくて脱落してる私
他の映画のために立ち寄った映画館で、著名人の方々が絶賛していた本作のポップを見て、これは見ておかないと!と足を運んだ
でも……何だか、しっくり来ない
ヤマザキマリさんがイラスト描いて褒めちぎっていた中年ニートのどこか足りない主人公に魅力を感じないし、詩人もいけ好かなくて、佇まいも何だかなぁ…どこか生々しい。詩人の奥さんが脇で無駄に色っぽくて、片田舎の閉鎖的な生活なのに、バカンスで遊びに来たようにしか描かれないのはイタリア映画だからか?
主人公が唐突に一目惚れする居酒屋の女性も無駄に色っぽくて美しすぎる。主人公のような朴訥な中年ニートに言い寄られて喜ぶタイプにはとても見えない。あれだけ美しいなら、さっさと都会へ行っている。居酒屋の女将があんな男は駄目!と怒ってたけど、私も深く深く同意する、私だって嫌だ

でも本作の筋立ては好きなので、日本の役者に置き換えてみると、もうちょっとシックリする気がする
詩人は火野正平さんのようなちょっと茶目っ気があって、先の見えない亡命生活に愚痴も言わず、酸いも甘いも噛み分けた男性
詩人の妻は…風吹ジュンさんのような可愛げがあるけど、夫の政治的亡命に従うこともいとわない、どこか芯がある女性
主人公は若いピュアな青年に…例えば「海に眠るダイヤモンド」の神木隆之介さん、居酒屋の女性は杉咲花ちゃんとか!(笑)
(話が逸れました)
他の方のレビューにも同じような意見があり、ちょっと安心しました

「ライフ・イズ・ビューティフル」はとても好きだったんだけどなぁ〜。多分イタリア映画は私には合わないんでしょう
お好きな方、申し訳ありません

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オパーリンブルー

4.0美人!

2024年12月2日
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鑑賞方法:映画館

以前に観た事あるんだろうなと思って、4Kレストア版を鑑賞、初見でした。
ニューシネマ・パラダイス的な味わいの映画。
妻と「島にあんな美人が働いているバルがあったら、島中の男が集まるだろう」と話した。
主人公が撮影終了後、12時間で亡くなったと知り、ビックリ。

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hanataro2

5.0「いんゆ活動」に笑って泣いた2時間です

2024年12月1日
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鑑賞方法:映画館

谷川俊太郎さんが亡くなった。
「芝生」って好きだ。沁みる。

詩人って、どうやって暮らしているんだろう。
郵便配達のマリオも、きっと素朴にそう思ったんだろう。

むかし、新宿の地下道で、
「私の詩集」と書いた札を胸元に持って、動かず語らず、まっすぐ円柱の前に立っている女性を見た。
周りを大勢の人間が川のように流れているのだが、そこに一人だけ動かずに立っている人の影は、目を引く。
一瞬立ち止まり、雑踏の中、その人に近付いて、彼女は何も言わないから僕も言葉無しで「指を1本」差し出して、お金を渡した。
粗末な わら半紙の手製のしおりを彼女の手から受け取ったし、僕はそれを読んだはずなのだが、その中身については何も覚えていない。
ただ、詩人に会ったその夜のことだけが残った。

・・・・・・・・・・・・・

「詩」を書いてみたいと思ったマリオは、
詩人パブロ・ネルーダへ配達する「ファンレターの大きな束」と、それを受け取っている「詩人」という人種に興味を持ったわけだ。

近付いて、もじもじと声を掛けるところから、人と人には心の関係が出来るし、交わす言葉は手紙となり、そしていつしか、人は詩になる。

プータローの困ったちゃん、=モラトリアムの息子が、
とにもかくにも無職から脱するために、自転車を押して叩いたのが郵便局のドアだった。

恋を囁くために学ぶ「隠喩」とは?
外国語を習得するためにはラブレターを書くのが最適と云うではないか。
その“必要”を見つけて向学心に燃えたマリオが、誠に可愛らしいのだ。
教えを請うて詩人を訪ねるうちに、彼の人生の扉とコトバのドアも開いてゆくのだ。

・嫌々の就職
・詩人との邂逅
・マニュアル購入
・下心だけでの詩作スタート
・ベアトリーチェへの求愛
・島を出る

マリオと師匠パブロのやり取りの変化が、目を見張らせる。
夢中になって郵便配達人に極意を伝え始めるパブロの背中が踊っている。
弟子マリオの語彙発見のセンスに一瞬驚き、そのマリオから言霊を授けられるシーンに、我々も惹きつけられる。
二人はついに同志の関係になっていた。

そうして
とうとう海辺で、初めて吟ずるマリオの愛の詩をあなたも聞いてくれただろうか・・
あの海の泡から生まれる「詩人の誕生」に、僕はベアトリーチェならずとも、応援していただけに、なんだか感激してしまって、押さえようもなく 涙がこみ上げてくる。
溢れ出すコトバは、その人、そのものなのだ。

映画は冒頭
小さい入江に入ってくるバルケッタ(小舟) の姿、
鳴り出だすアコーディオンとギター。
風の中を走る自転車のシーンから物語は始まった。

主演のマリオはクランクアップのその日に、本当に急死してしまったそうだ。
共演者・スタッフたちが、どんだけ大泣きしただろうかと思う。

イスキアだろうか、カプリだろうか、島の陽光と海がただ眩しい。
桃色の邸宅で、そして波打ち寄せる浜辺で、
僕らも人生を謳って、詩人にならずにいられようか。

・・・・・・・・・・・

メモ

あの「シネマ・パラディーソ座」のアルフレートに再会できたこと。飛び上がって喜んだ映画ファンは、世界中に大勢いたはずだ。
飲み屋のマンマたちが、またとっても良い!
そして、人間のすべてがしみじみと切なくて温かい。
ビバ・イタリアーナ!
チンザノ買って帰りますね。

ミ・アモーレ、東座の合木社長
いい映画をありがとう♪ 大好き。

・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・

付記、2024.12.2.
感想が止まりません ―

「中央から隔絶された離れ島」という設定は、チリやモスクワやローマでのあの厳しい政治的闘争からは、地理的にも精神的にも遠くに置かれた島の住民たちの「ローカルなストーリー」を成立させるための手法であるかも知れません。
外界からのニュースは、新聞やニュース映画でしか入ってこない彼ら。その彼らにとっては、政治のスローガンは遠い世界でのおはなし。(島民は水道が欲しいだけなのですから)。

しかしラストで一瞬だけ映る残酷な光景・・
「純朴な詩人が大都会ローマ?に出て行って、そこでまさかの死に巻き込まれる」シーンは本当に胸が痛かった。

「詩作」を教えてしまったがために、結果、あろうことかマリオを死なせてしまったチリの政治犯=パブロの、海岸での悔悟と哀惜の表情が、本当に辛い結末でした。

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きりん

5.0木訥な郵便屋さんの話

Mさん
2024年11月29日
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ずっと見たかった映画を映画館で見ることができる幸せ。

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M

4.5初見で、この作品

2024年11月28日
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泣ける

悲しい

幸せ

の事や作り手の事は何も知らない。しかし最初の印象はカメラが微妙に遠い事。ハイライトになったらズームになるのか・・。
ベアトリーチェ、バーン!イタリア女には海が良く似合う。マリオも教育されてて流石イタリア男子。
最後、詩人がアップに一瞬なったが直ぐ引きに。神の視線か!とちょっと思ったけど、どうしても傲慢には感じられない。マリオ風に言うならば、温かい諦念みたいな感じか。

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トミー

5.05つ星以外考えられない、魂のこもった名作に再会できた喜び

2024年11月23日
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28年前に劇場で観て好きすぎた『イル・ポスティーノ』
4Kで今また劇場で再会できるなんて、最低二回は観ないと、と先週は恵比寿と今日は有楽町で鑑賞。

書きたいことがありすぎるから、ただ一言だけ書きたいです。
この映画を、どうか見逃さないでくださいね。若い人にも観てほしいな、と思いましたが、結構若い人がいたので嬉しかったです。
人生を豊かにするものを観てほしいです。

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ラブリーエミリー

4.024-133

2024年11月23日
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詩人パブロネルーダと南イタリアの小さな村。実際に会った出来事を共にした小説。

国を追われ島に来た詩人と、
小さな島に育った頼りない青年。
ふたりの交流が島の美しい風景と共に描かれる。

青年は美女に恋し、詩を読もうとする。
住み慣れた島に美しいものなんてないと思ってたけれど、恋人、波の音、風の音、鐘の音、星空、美しいものに囲まれていたことを知る。

心を豊かにしてくれる作品でした。

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佐阪航

5.0見終わった後に、良い映画だったなと思える映画!

2024年11月19日
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知的

幸せ

見終わった後に、良い映画だったなと思える映画でした!
特に、最後の脚本と映像が素晴らしく、こういう終わり方をするのか!?という感じです
郵便配達人と高名な詩人のふれあいが、どうして映画になるのか?と不思議に思っていましたが、最後に納得できました

言葉の持つ魅力が恋を成就させ、その言葉に憧れ、自らも言葉の魔術師になろうとした主人公の気持ちもよく判るし、二人の間に生まれた友情以上の心の通い合いが、人間の魅力だと思えるし、背景に当時のチリ・南部イタリアの政治的混乱、選挙・議員への皮肉も描かれており、帰国後、恐らく軍部に殺されたであろうネルーダ氏への鎮魂映画ともいえる作品です

主人公の郵便配達人が、言葉の魔術師ネルーダに再訪して欲しくて、自分の住む故郷の美しさを言葉ではなく、録音して送ろうとした気持ちも素敵だし、故郷チリのクラブ・街角で踊っていただろうと思わせる、ネルーダ役のフィリップ・ノワレの上手なダンスも素敵でした

BGMも映画に合った音楽で、バンドネオンの音色が何故か心に沁み込み、印象的だなと思っていたら、アカデミー賞作曲賞だったと知り納得!

また郵便配達人を演じたマッシモ・トロイージが、『イル・ポスティーノ』制作時には即時手術が必要な状態にも係わらず撮影を優先し、撮影終了から12時間後に41歳で死去したと知り、大きな驚きでした!

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jazz須磨

5.0地中海の強い日差しと抜けるような青い空と海はもう一つの主役

2024年11月18日
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泣ける

悲しい

幸せ

『イル・ポスティーノ 4Kデジタル・リマスター版』
製作30周年を記念して4Kデジタル映像になって11月8日(金)からリバイバル上映。
早速、角川シネマ有楽町さんにて鑑賞。

日本での公開は1996年の春。劇場での鑑賞は実に28年ぶり。
『ニュー・シネマ・パラダイス』(1988)のアルフレード役で知られるフィリップ・ノワレの最新作と知って劇場に足を運んだ記憶がありますね。

高名な詩人パプロ・ネルーダ(演:フィリップ・ノワレ)と内気で実直な配達人マリオ・ルオッポロ(演:マッシモ・トロイージ)の日々の交流から徐々に縮まる二人の距離感、パプロに感化され詩作に目覚め、才能を開花させていく過程が丁寧に描かれていますね。

フィリップ・ノワレの愛嬌と包容力ある演技は素晴らしいのですが、脚本兼主演のマッシモ・トロイージは撮了後わずか12時間後に41歳で逝去、精細な演技の方だっただけにもっと出演作を観たかったですね。
マリオの恋人役ベアトリーチェ・ルッソを演じたマリア・グラツィア・クチノッタは、ソフィア・ローレン、モニカ・ベルッチのような典型的なイタリア美人。その後『007 ワールド・イズ・ノット・イナフ』(1999)にも敵役で出演していましたが、もっと活躍して欲しかったですね。
そして、地中海の強い日差しと抜けるような青い空と海はもう一つの主役、同作品のビジュアル面に大きく寄与していましたね。

改めて見直すとイタリア映画で大戦後盛んになった「ネオレアリズモ(=イタリアのネオリアリズム)」を踏襲、労働者の要求、市民の暴動といった側面も描いているのは再発見でしたね。そういう部分でも本作が永くイタリアで愛される所以かもしれないですね。

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矢萩久登

3.5これは実話なのか、それとも創作なのか。

2024年11月16日
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創作であったら、4点をつけても良い。そこを確認しようとパンフレットを読みたかったが、残念ながら売っていなかった。実話に基づく話ならば、私の評価点が妥当だと思う。

高名な詩人と出会うことにより、言葉の持つ魅力に取り憑かれて行く青年?の話。創作ならば目の付け所が秀逸。どのように結末をつけるのかなと思っていたら、私は詩人からベアトリーチェ賛美の詩が送られると想像していた。まさかと思う結末だった。共産党の集会で官憲に取り締まられるのが原因か。

イタリアの陽光溢れる海岸で、1人佇む詩人。勿論、彼を想って。光明るいだけに、余韻がある。バンドネオンの音と音楽の付け方がいい。

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いなかびと

4.0やはりイタリア映画🇮🇹

2024年11月16日
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綺麗な海と小さな田舎町
素敵な音楽とイタリア映画らしい一筋縄ではいかない風刺

好きな作品でした
4Kデジリマありがとう☺💜

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らまんば

4.5世界一幸せなアラフォーのシンデレラボーイの恩返し

2024年11月16日
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泣ける

笑える

幸せ

1948年に 国外退去処分 となり、イタリアに亡命し、ナポリ沖の小島の別荘にやってきたチリの政治家、外交官で世界的に有名な詩人でもあるパブロ·ネルーダ (フィリップ・ノワレ) 。のちにノーベル文学賞受賞。カプリ島で出会った郵便局員の男との実話に基づく1994の映画。今回、4Kデシタルリマスター版で劇場鑑賞。
郵便局員のマリオ(マッシモ・トロイージ)は生来体が弱く、内気で普通の仕事につけないでいる不思議なおじちゃん。年取った漁師の父親と二人暮らし。お父さん役に顔がそっくり。体が弱いというよりも、多少オツムが弱い美青年(アドニス)のマリオ。鼻にかかってこもりがちなトーンの声も魅力的。映画館のニュースで世界的詩人が自分の島にやってくることを知る。配達員募集の張り紙を見て、小さな郵便局を訪れる。世界中からファンレターや贈り物が届くパブロ専任の配達夫として臨時採用となる。郵便所長(共産党員)が親切でいい人。彼とマリオのやりとりにまずはニヤニヤほっこり。美人の奥さんを連れて、芸術家が作ったアトリエ風の高台の別荘。自転車で登ってくるのはとても大変そう。その分周りを海に囲まれた絶景は格別でした。
大戦後のチリの政治混乱についてはよくわかりませんが、1948年から1958年まで国外退去処分だったようです。映画の色彩がほんとに古い感じで、1960年前後の映画のようで役者さんのメイクなんかも雰囲気があります。主演のマッシモ・トロイージは撮影終了後ほどなくしてなくなったそうですね。脚本にもかかわった彼は、実際に心臓が悪く、撮影も休み休みだったそうです。自転車漕ぐだけで大変だったでしょうに。命と引き換えに撮った映画です。泣けますね。
居酒屋兼食堂の娘、ベアトリーチェ·ロッソに一目惚れし、オクテの彼はパブロに相談します。パブロの詩は
エッチな比喩や隠喩に優れ、官能的でややお下品ながら、とても情熱的なので、世界中の年頃の娘さんにはとても刺激的だったに違いありません。コーチが良かったせいで、マリオは島一番のグラマー美女(決して乙女には見えませんが)といい仲になり、結婚することに。
アラフォーのシンデレラボーイ。
夢のようです。
ワタシもあやかりたい。
カプリ島は古くからレモンの名産地で有名らしいです。
詩がとても力を持っていた時代。
あの録音機(再生機能つき)。送られてきたカセットを押し込むのは昔のカラオケみたい。当時、実在したものなのかは大変疑問ですが、マリオとパブロにとって、とても大事で重要な役割を担う仕掛けでした。郵便局長が野外の録音をサポートするのもとてもいいです。当時の集音マイクで胎児の心音が録音出来るのかは横に置いといて、
「この島で一番美しいのは······ベアトリーチェ ロッソ」
パブロとマリオの噛み合わないようで、ちゃんと噛み合っている会話は、時折とても可笑しい。

大学の部室でひとりでカセットテープに弾き語りを録音してたら、マツイ君がいきなり入ってきて、サビをハモった声が入っているテープは何度聴いても可笑しいので、上書きして消すことなく大事にとってあります。
金沢出身の映画好きの松井君。元気にしてますか?

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カールⅢ世

3.0のどかで美しい南イタリアの島を舞台に…

2024年11月15日
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チリの詩人パブロ・ネルーダが南イタリアの島へ身を寄せた史実を基にした小説を映画化との事で、

のどかで美しい南イタリアの島を舞台に、郵便配達員と詩人の交流を描きます。

ノスタルジックな音楽が心を刺激するけど、薄味でマッタリしてて眠くなった(笑)

いい話といえば、いい話だけど、

僕には、あまり響かなかった…(笑)

名作感がしたので期待したけど、個人的にはビミョーかな…

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RAIN DOG