「Pubblico, vieni qua!❤ パブリート、こっちへ来なさい。」イル・ポスティーノ マサシさんの映画レビュー(感想・評価)
Pubblico, vieni qua!❤ パブリート、こっちへ来なさい。
「ネルーダ」にもレビューしたが、マリオは架空の人物。
さて、実際の歴史は
アジェンデ大統領指示のネルーダがビデラに弾圧を受ける。そして、
お隣の国のアルゼンチンでは、ペロンの妻エビータや一般人を弾圧した別人のビデラの存在。全く、ややっこしい。
でも、一言で言えば、73年に「3人のパプロ」、が亡くなり、1975年にアメリカがベトナムに負けて、アメリカの「覇権の力」が大きく減退した事から始まる。今でも続いているけど、資本主義の崩壊の始まりなのである。もっとも、「社会主義よりも先?」と思われるかも知れないが、社会主義は「良い悪い」は別にして今でも続いている。また、貨幣経済で在る限り、社会主義や共産主義は資本主義の一部に考える説もある。まァ、とうでも良いか。とにかく、アメリカの失墜が始まったと言う事だ。だから、世界が荒れだすのだ。
以下、ネタバレありあり。
さて、起承転結で映画は結末を迎える。僕はこの点がこの映画の鳥肌ものとしての所以と思っている。
理由はマッシモ・トロイージが出て来ないって事かなぁ?詳しくは映画のプログラムに書いてあるかもしれないが。僕はプログラムは買わない主義。
さてさて
作品番号1 ラディソットのさざ波
作品番号2 大波
作品番号3 岸壁の風
作品番号4 茂みの風
作品番号5 我が父の悲しき綱
作品番号6 聖母教会の嘆きの金と司祭の声
「素晴らしいな 今まで気が付かなかった」
作品番号7 島の星空
作品番号8 パプリートの心音
そして
「ほら、パプリートの心音が聞こえる」
ベアトリーチェが
「パプリートとは呼ばないわ」
Pubblico, vieni qua!❤ パブリート、こっちへ来なさい。何回見ても良いなあ。
この映画は何度もは見てるが、見ていると分かってくる。アレレ!フランス語しかできないんだねって。それで、イタリア語とスペイン語って同じラテン語系であっても韻をふめるのかなぁ。思ってしまう。
さて、ジム・ジャームッシュの「パターソン」の主題の一つが、詩の韻の難しさだったと記憶する。僕は「パターソン」を見た時、この映画を見たくてたまんなかった。
「ヌーメロ」が韻を。なのかなぁ?
やはり、聖書で言う様に「バベルの塔」が建立されて、人々の言葉が多様した事が、神は災いとしてるのか?文化の多様化だとは思うが。
少女終末旅行の中に物凄い大きな図書館に出会う場面が出て来る。
だが、彼女達はもう字が読めない。その後、別の状況で、つたない文書で書いていた日記をもう一人の少女が燃やしてしまう。日記を書いた少女は、必死にその日記を回収して、もう一人の少女を殴り倒す。
そして、殴られたもう一人の少女は、その回収をしたノートに殴った少女の寝顔の絵を書く。罪滅ぼしの如く。
この映画の主人公も同じ事をしている。
やはり、文化の多様化は良いのだと思う。
この映画と「殺意のサン・マルコ駅」がイタリアへ行きたくなった一因だけに外す事の出来ない作品。
まァ「ヌーメロ」で言えば1番だな。
マサシさん、返信遅れてすみません。
チリの歴史や当時のアメリカの南米介入の内情に詳しいマサシさんにお応え出来る知識もなく心苦しいですが、僅かに10代の頃ジョン・ウェイン主演の「ヘルファイター」1968年の映画でアメリカの覇権主義の怖さを感じたことがあります。表面上は娯楽映画の一編でしたが自国アメリカを批判したハリウッド映画の印象が残っています。舞台はベネズエラでした。
この映画は、世界的詩人パブロ・ネダールについての知識が無いと充分鑑賞したとは言えませんね。振り返って主演のマッシモ・トロイージのネダールへのリスペクト、遺言として自身の畢生の作品を残したかった思いを強く感じます。ラストのマリオの死は、文学的に影響を受けたネダールに命を捧げたようなトロイージの心中だと解釈します。今となっては無知と偏見故の初見の感想を修正するのも恥ずかしく、そのままにして置きます。
スペイン語圏のチリの外交官としてスペイン内戦で共産主義に目覚め、イタリアに短期間亡命し、晩年は駐仏大使も務めたパブロ・ネダール。現在ヨーロッパはEUになって移民も増え多国語を話す人が極普通になっていますが、19世紀後期のベル・エポックの頃から芸術の都としてパリに多くの画家や作家が集まり、その中ではフランス語、英語、スペイン語、イタリア語が飛び交っていたのでしょうか。ここにドイツ語が入っていない印象があります。フランスとドイツが仲良く出来ていたら歴史も変わっていたでしょうね。
世界を舞台にした大河物語だったですね。
映画を見終わってマサシさんのお宅のリビングで、フォロアー仲間と一緒にマサシさんの解説を聞かせて頂いているような錯覚!
一気に語って下さるレビューが熱くて素敵です。