「幸せな人生では」イル・ポスティーノ かばこさんの映画レビュー(感想・評価)
幸せな人生では
島の、結構いい年の、漁師の父と二人暮らしの独身男性マリオが、女性にモテたい一心で(イタリア男って…)、女性に大人気の亡命詩人パブロの事実上専属郵便配達員に応募する。
引っ込み思案というけれど、躊躇することなく面接にGO、思い立ったら行動が早い。
無事採用されてモテる秘訣を学ぼうと近づいたが、徐々にパブロの人柄と詩の魅力に取りつかれて、どっぷり傾倒していく。
マリオは少々オツムが弱い人に見えるが、心から湧き上がってくるものを表現するために言葉を探し、表現する。お世辞も媚びへつらいもない。感性が大変豊かで鋭いが、ようやく読み書きができる程度で学はないので、これは彼が持っている生来のギフトだ。
優れた詩人であるパブロにはマリオの感じること、言わんとすることが、すんなり理解できる。一見噛み合わないようだがちゃんと噛み合っているふたりの会話が面白くて、時々可笑しい。
ふたりの関係は、師弟ではなくもっと対等で、トモダチ、がふさわしいと思う。
こころの奥底にある感覚や感性を、ああそれ、それだよね、と共有できる同志のようで、パブロはマリオを「親友」と呼ぶのはもっともなことだと思った。
但し、イタリア男性には女性を口説くのが人生の最大関心事のひとつだが、チリ人にはどうなんだろう?
ベアトリーチェは、あの美貌とスタイルとおっぱいなので、彼氏のひとりやふたり、3人4人くらいいるだろうと思ったら、耳元で詩を囁かれてメロメロになるほどのおぼこい純情娘!
叔母の鉄壁の守りがあるからなんですね、マリオはすでにいいトシなのにあんな若い美人と結婚、めっちゃ幸運なおじさんです。そしてやっぱり思い立ったら行動が早い。
パブロと交流しだしてからマリオにどんどん力が漲ってくるようで、引っ込み思案で弱々しい男から、共産党や共産主義を語るようにもなる。あきらかにパブロの影響だ。
パブロは誠実なヒトのようだし、マリオを親友と思う心に偽りはないと思うが、世界的有名人で忙しいので、マリオが彼を思うほどには心を残していないのが切ない。
マリオが作っていた「島の美しいもの」ひとつひとつが素晴らしい。
作品番号何番、と読み上げながらつぎつぎ現れる「美しいもの」
もうすぐ生まれる子どもの心音もある。この感性。いくつでも、ずっと見ていたかった。
郵便局長が全面協力、共産党嫌いの司祭様まで協力しちゃって微笑ましいが、あれがパブロのもとに送られることはなかったんですね
「網」の連想が「悲しい」になるのは、とうさんの網に収穫が少ないからだったようです。
親友の主義に沿った共産党の集会で、自作の詩を読み上げる。
美しいもの、の締めくくりは、この「詩の朗読」だったはず。
どれほど晴れがましいことだったか。群衆の足元に落ちた詩の原稿が哀しかった。
パブロ夫妻が居酒屋を訪れるところからの、マリオの最期を語るエピソードの見せ方が秀逸。
それでも、マリオの生涯は、幸せなものだったと思う。
頭も身体も弱そうだが、生きる知恵には長けている。
父がどれほどマリオを愛していたか、息子の結婚式で別人のように饒舌になったところでよく分かる。若く美しい、一目惚れの相手と電撃結婚して子宝にも恵まれ、臨時採用先の郵便局長はその後も良きトモダチ、仕事はあるし、なにより魂の親友と巡り合った。
残された人たちは、彼を愛していた分たまりませんが。
パブロ・ネルーダは実在の人物で、この映画はときの政権によって共産党が非合法化されたため、故国チリから国外逃亡を余儀なくされた彼のイタリア亡命時代を題材にしたものらしい。
舞台となった島も架空のもので、話自体はフィクションだろうが、このように膨らませたのが素晴らしい。
島の自然と風景、佇まいが美しく、効果的。
この映画の、もう一つの主役と言って良いくらい。
行ってみたいと思いました。
かばこさんを
フォローしてなかったとは何たる失態😱
いっぱいお喋りしてきたので、とっくにお友達だと思ってました。
こちらこそよろしくお願いしますね。
メリークリスマス✨
お返事ありがとうございました😊
実はイタリアは【お盆の時期が狙い目でホテルが安い】のです。逆にクリスマスは高騰です。
そして初夏は夜9時まで明るい。
この本には安めのホテル情報も盛り沢山。
1回目のイタリアはすべて思いつきの旅で、現地に着いてから観光案内所で宿を探しましたが、2回目はこの本で宿はインターネット予約で簡単でした。
飛行機は安売りのIHSです。
〉リタイヤしてから
と言わずに遊びに行ってみてくださいね🌈
ではまた。
よい映画でした。名前と評判は知っていたのですが、今回、映画館で見ることができ幸いでした。
何か妙に心に残り、3回ほど見に行きました。
その度に温かな気持ちになって帰ってきました。
かばこさん
ボンジョルノ!
そうですよね、マリオは幸せだったはず・・
レビュー、読ませて頂きました。
たくさんのシーンがよみがえってきました✨✨
「地球の歩き方 A13 南イタリアとシチリア 」⇒超オススメです。
カプリ島、イスキア島、そしてロケに使われたプロチーダ島も網羅してます。
僕は30年まえ、このガイドブック一冊と英和和英辞書だけを持って、ナポリの港から島に渡りましたよ。
ヌーディスト・ビーチで「ベアトリーチェの美貌と輝く 〉おっぱい笑」に出会った事は、talismanさんにコメントした通りです😍
現地滞在の日本人たちが編集に加わっているので、到着の当日から安宿探しからバスも電車も船も、自由自在に簡単に乗れちゃったのが このガイドのありがたみでした。
ご自身へのクリスマスプレゼントにいかが⁉️
アモーレ💕
カンターレ🎵
マンジャーレ🍹
共感ありがとうございます。
今観ると、マリオ役の人の元気無さが西田敏行さんと被る感じですが、愛する相手と結ばれ子どもも・・もっと良い生活・環境を!と考えた結果の悲劇、それが人生って感じですね。苦さが残る作品は後引くもんですね。