「異端のCIA」今そこにある危機 odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
異端のCIA
テレビでやっていたので再鑑賞。テンポも良いしアクション・シーンも満載、何よりハリソン・フォードのジャック・ライアンだから見応えがありますね。
ただ、ハリソン・フォードには「レッド・オクトーバーを追え」のライアンのような知的な役どころに出て欲しかったのですがショーン・コネリーとはインディー・ジョーンズで父子役だったので辞退したとのこと、ライアン博士は学者肌、銃は持たないし汚れ仕事には染まらぬ青臭さが持ち味かと思ったら今回、しっかりハッキングや盗聴までやっていますから進歩と言って良いのでしょうか微妙です。キャラ設定は譲れないとしても銃には素手では敵いませんよね、まあ、そこでクラーク(ウィレム・デフォー)の出番が活きてくるのですから確信犯、面倒臭いですね。
再鑑賞となると俯瞰的に見る余裕ができたせいでしょうか、余計な雑念が入ります、テーマは麻薬カルテル掃討作戦に名を借りたCIAと政治家の腐れ縁なのでしょうか・・。
コロンビアの麻薬カルテルの暗躍はあまりにも有名、半ば国家ぐるみですから合法的な犯罪者引き渡しもままならずデルタ・フォースによる壊滅作戦なども行われたのが史実ですから、あながち大統領の悪だくみと決めつけるのも如何なものでしょう、そこでカルテルの闇資金没収とか、潜入部隊を切り捨てるとか原作にない脚色でライアンの告発の妥当性を担保しています、トム・クランシーも異を唱えたようですがお金で折れたようですね。
麻薬問題は根が深い、幾度にもわたるアメリカ軍の掃討作戦やコロンビア政府による摘発で、大物の多くが死亡あるいは逮捕されたが新興勢力が台頭するのが世の習い、貧困にあえぐ中南米の諸問題が解決されない限り根本解決は難しいのが現実でしょう。
今回も捨て身の活躍には心打たれはするものの、麻薬問題も政治家とCIAの腐れ縁も断ち切れないのでしょうね・・。