「進歩的文化人ご推薦」いちご白書 越後屋さんの映画レビュー(感想・評価)
進歩的文化人ご推薦
日本では有名な作品ですが、アメリカでの評価は高くないそうです。
実験的な映像を随所に挟んだ意欲作であることは認めますが、主題がありそうで曖昧です。
メインストーリーがなく、当局に反抗する学生たちの姿が断片的に、且つメリハリなく続き最後の乱闘シーンが長すぎて、全体に締まりがありません。
何よりも共産主義が大嫌いなアメリカ人にはあまり共感を得なかったのでしょう。
逆に安田講堂の二年後、70年安保まっただ中で「進歩的文化人」という共産主義者が幅を利かせていた日本では、「先生 アメリカ」に強いシンパシーを感じたんでしょうね。
いずれにしても、アメリカならウッドストック、ヒッピー、ベトナム、公民権、アポロなど、日本なら全学連、赤軍派、安田講堂、安保、高度経済成長などの60-70年代(昭和40年代)の時代の気分の中で観て評価すべき作品なので、その時代を知らない人間は何とも戸惑いを感じざるを得ないでしょう。
換言すれば、同時代限定、つまり後世に残るタイプの作品ではありません。
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