劇場公開日 1985年11月5日

「「貧困と無知、そして常に戦争」が民衆を統制するのに役立つ。」1984 kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0「貧困と無知、そして常に戦争」が民衆を統制するのに役立つ。

2019年3月2日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 どこにいても監視は続けられ、民衆はいつも同じ話題で面白みがない無味な生活。国家リーダーであるビッグ・ブラザーの顔が常に描かれ、交戦国の捕虜の処刑は日常茶飯事だ。食糧や日用品もすべて配給制。誰も国家に対して文句が言えない。言おうものなら思想犯として投獄されるのだ。

・戦争は平和である
・自由は屈従である
・無知は力である

 どことなくスターリン主義のソ連を描いたような作品であり、背景に巨大なビル群が立ち並ぶにもかかわらず、スラム街のような荒んだ町が舞台となっているほどわざとらしい。洗脳や拷問なども恐怖に感じるほど社会主義批判のような中にあって、戦争しているということはイーステジア国にしろユーラシア国にしても全体主義なのだろう。ストーリーも設定もツッコミどころがありそうなほどかなり雑な作品・・・ただ、印象的なセリフがいっぱい。2+2=5だとか、党が5と言えば5であり、3にも4にもなるのだ・・・とか。

 そんな中、ジュリア役のハミルトンの立派なわき毛も記憶に残る。調べてみると、アンダーヘアが初めて日本上映された作品らしい。面白いけど、冷戦のさなかに作られてるから、遠慮したり雑なところが多いのが欠点。

kossy