劇場公開日 1989年6月28日

「【”うーむ。これが、ルビッチ・タッチですか。面白いなあ。”ユダヤ系のエルンスト・ルビッチ監督がナチスに反発し、一泡吹かせようとする演劇人たちの姿を独特のコメディタッチで描いた逸品。】」生きるべきか死ぬべきか NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【”うーむ。これが、ルビッチ・タッチですか。面白いなあ。”ユダヤ系のエルンスト・ルビッチ監督がナチスに反発し、一泡吹かせようとする演劇人たちの姿を独特のコメディタッチで描いた逸品。】

2024年12月3日
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■1939年、ポーランド。
 劇団の女優・アンナ(キャロル・ロンバード)は、夫で座長のヨーゼフ(ジャック・ベニー)が頑張って「ハムレット」を演じている時に、彼女の熱烈なファンであるポーランド空軍中尉・ソビンスキーと楽屋で会っていた。
 ドイツ軍が侵攻してくると、ロンドンに駐在していた中尉は、ナチスのスパイの英国人教授シレツスキーを追って帰国する。
 そして、教授の陰謀を阻止すべく劇団に協力を求める。

◆感想

・テンポの良い、センスあるコメディである。しかも、この作品は資料を見ると1942年公開と有る。これだけでも、エルンスト・ルビッチ監督のナチスに対しての怒りが伺える。

・序盤、ヨーゼフが”生きるべきか、死ぬべきか。”と舞台で台詞を喋っている時に、ソビンスキーが楽屋にいるアンナに会いに行くために、何度も中座するシーンが可笑しい。
 中座の度に、目を剥くヨーゼフ。そりゃ、そうだろう。「ハムレット」の見せ場の一つなのに、何度も中座されてはね。

・ポーランドにナチスが進軍してきて、劇団の劇場も破壊されてしまうが、彼らはヒトラーに一泡吹かせようと、ナチスのスパイの英国人教授シレツスキーを使うシーン。
 特に、ヨーゼフがシレツキーに変装する”付け髭”について、ナチスのエハアルト大佐との遣り取りのシーンは、絶品である。

<うーむ。これが、ルビッチ・タッチですか。面白いなあ。美しくも残念ながら早逝されたというキャロル・ロンバートの、スクリュー・ボールコメディ演技(流石に、この言葉は知っている。)も良くって、もう少しエルンスト・ルビッチ監督作品を観てみようと思った作品である。>

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