劇場公開日 1993年5月29日

「【実際に起きたアンデス山中で起きた飛行機事故を基に、極限常態下で人間が生きるために選択した事を肯定的に描いた作品。ラストのシーンは、矢張り沁みる作品でもある。】」生きてこそ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5【実際に起きたアンデス山中で起きた飛行機事故を基に、極限常態下で人間が生きるために選択した事を肯定的に描いた作品。ラストのシーンは、矢張り沁みる作品でもある。】

2024年6月25日
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鑑賞方法:VOD

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ー 今作のベースになった、1972年、ウルグアイの学生ラグビーチームを乗せた旅客機が、厳寒のアンデス山中で墜落事故を起こした事故を基にした映画は、24年1月にJ・A・パナヨ監督の「雪山の絆」を鑑賞した。
  そして、その時から今作を鑑賞したいと思っていた。-

◆感想

・今作で遭難した学生たちは、ペシミスティックに物事を考える人と、オプティミスティックに物事を捉える人に別れている。
 今作を観ると、決死の思いで雪山から脱出を図ったイーサン・ホーク演じるナンドがオプティミスティックな人物の代表で有ろう。
 ナンドは、食料が尽きた際にも、”墜落させたパイロットの肉を食う”と言い、生存者達は凍った遺骸から切り取った肉を煩悶しながら、口にするのであるから。

・生き残った彼らに、自然は厳しい。厳冬が過ぎて雪面が緩くなった夜、表層雪崩が機体内にいる彼らを襲い、8名が死亡してしまうのである。

・50日を過ぎても救助隊が来ない事から、ナンドは助けを求めに行くことを提案する。標高4000m越えのアンデス山脈をアイゼン、ピッケル、完全な装備無しに登るのだが、彼らが若いラガーマンだった事も奏功したのだろう。
 それにしても、ナンドの強い信念、リーダーシップには驚かされる。

■感動的なのは、ナンドとカネッサが苦難の末、チリの麓に到達し、救助のヘリが来るシーンであろう。

<J・A・パナヨ監督の「雪山の絆」はフランク・マーシャル監督が製作した今作に可なり忠実に描かれている事が分かる。
 それでも、私は今作を感慨深く鑑賞した。
 事実に基づいている点と、ラストの感動シーンがあるからであろう。>

NOBU