E.T.のレビュー・感想・評価
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映画史に残る傑作。
宇宙人が人間と同じ感情を持ち、好奇心に満ち溢れ、実際に接した子供たちに、友好的な態度に終始して描いた映画って、本作の大ヒット以前には、ゼロでは無かったかもしれないが、ほとんど無かったかもしれない。
この作品以前の映画の中の宇宙人は、どっちかというと、とても攻撃的で、地球に対する脅威となる存在で、人類を滅亡させるかもしれない、敵対的で恐怖の対象というイメージが主流だったと思う。
宇宙人に人間と同じ意味での「心」があり、しかも、互いに親近感を感じる存在として描いたことは、その後の映画における、SF映画の表現の広がりという意味で、多大な影響を与えたと思う。
異国の地である地球で迷子になり、ホームシックにかかった宇宙人という無国籍な存在が、人間の子どもたちにかくまわれ、やがて迎えがやってくるという物語は、そりゃあ国を超えて、世代を問わず、誰にでも楽しめる作品になるよなあと。
そこにスティーヴン・スピルバーグ監督は、無駄で余計な味付けをしていないことが、とても良かったのだと思う。誰でも童心に帰れるような、ストレートに感動できるSFアドベンチャーだし、映画史に残る傑作だ。
I’ll be right here は、5回出てきます!
「E.T.」2024.6/24 NHKBSにて観賞
最初に「E.T.」を観たのは、朝日新聞社内にあった旧丸の内ピカデリーである。業界関係者向けの国内最初の試写会で一般人は入れなかったが、知人の映画館支配人の方に招待状を頂いて観る事が出来た。旧丸の内ピカデリーは2階席の方が見やすいので、2階席に上がると2階の一角はゲスト用の専用席が用意されていた。
専用席には三船敏郎(スピルバーグ監督の「1941」に出演していた)や郷ひろみ(松竹映画に出演していた)他の芸能人もいたが、ビックリしたのは黒澤明監督が来ていた事だ。
なんと、その黒澤明監督に挨拶するために、スティーブン・スピルバーグ監督が通訳の戸田奈津子さんを連れて2階席まで上がって来たのだ。「うわっ、スピルバーグが来た!」目が点!
黒澤明監督への挨拶を終えて戻るスピルバーグ監督の後を追い、2階から1階に降りる踊り場で捕まえて当日配布された「E.T.」のプレスにサインを貰った。関係者ばかりなのでサインをもらいに行ったのは私一人であった。こういう時に限ってボールペンのインクの出が悪くSの文字がかすれた。
あれから、もう40年以上が過ぎたのか。
閑話休題。
植物を採取していて宇宙船に戻れず、地球に取り残された宇宙人E.T.と、彼を匿った兄弟妹の交流と別れを描いたSFファンタジー。
宇宙船の着陸を察知した当局は宇宙人を探す。取り残された宇宙人は家の裏庭でエリオットと出会う。父母は別居中で、母と同居している兄弟妹の三人は,弟エリオットが家に連れてきた宇宙人をE.T.(the Extra-Terrestrial)と名付けて世話をする。妹はE.T.のいる部屋に枯れかかった菊の鉢植えを持ってくる。
E.T.は妹が見ていたTV「セサミストリート」で「B」の発音を覚える。「Good」と褒められる。「E.T.」「Eliot」「Phone」「Home」等の単語を覚える。枯れかかっていた菊は生気を取り戻す。
「E.T. Phone Home」新聞のバック・ロジャースのコミックやTVを観たE.T.はエリオットの部屋やガレージにあった物を集めて発信機を作る。ガレージを探している時、鋸の歯で指を切ったエリオットの傷をE.T.は自分の光る指で直す。指には傷も残らない。
ハロウィーンの夜、仮装する人たちに紛れてE.T.を自転車のかごに乗せ森へ連れて行く。
自転車に乗ったエリオットは森に向かう時にE.T.の超能力で自転車ごと空を飛ぶ。ジョン・ウイリアムスの音楽に乗って、私も空を翔ぶ。(この時、月の前を横切る自転車のシルエットが後のアンブリン・エンターテインメントのマークとなる)
E.T.は森の中で自分が作った発信機を作動させる。果たして仲間に通信は通じるのか。
朝まで森で過ごしたエリオットとE.T.は体調不良となるが、既に家には宇宙人を探す当局の手が回っていた。エリオットとE.T.は隔離され手当を受ける。菊の鉢植えは再び枯れかかっている。
エリオットは回復するが、E.T.は死んでしまう。
エリオットに死んでしまったE.T.との二人だけの別れの時間を与えられると、E.T.は蘇生し、(枯れかかっていた菊は生気を取り戻す)仲間が迎えに来ると喜ぶ。蘇生したE.T.を宇宙に返すため、エリオットは兄と協力してE.T.を奪って、兄の友人達とBMXで森へ向かうが、行く手には警察が立ち塞がる・・・。
しかし、E.T.の超能力でBMXに乗った一行は空を飛び、森へ向かう。宇宙船がE.T.を迎えに来た。
妹は持ってきた菊の鉢植えをE.T.に渡す。
妹に「B.Good」(一番最初に覚えた言葉)「Be Good(よい子でいてね)」に掛かっている。
兄に「Thank you」(ハロウィーンで記念写真を撮る時にE.T.の隣にいた兄が発した言葉)感謝の言葉になっている。
そして、エリオットに「I’ll be right here」僕はここにいるよ。
公開当時、何でラストにいきなりE.T.がしゃべるのだという意見があった。
これは、この台詞に「僕はいつまでも君の心に」という字幕を付けた戸田奈津子のせいでもあったと思う。
しかし、この台詞「I’ll be right here」は、本作中でエリオットからE.T.に向けて4度も発せられている台詞なのだ。妹にも、兄にも、エリオットにも本人が発した言葉で別れを告げている。そして、それがダブル・ミーニングになっているのが素晴らしい。このことが理解されていないと上記のような意見になってしまうのだ。
今観ると40年前の時代を感じさせる。兄の着ている Tシャツはスペースインベーダー、エリオットの部屋にはスペースシャトルの模型、遊んでいるおもちゃはボバ・フェットとランドー・カルリシアン、ハロウィーンにはヨーダが登場する。
今回、NHKBSで放映されたのは1982年版であった。(2002年版は少年達に銃を向けるのはいけないというスピルバーグ監督の考えで、BMXの前に立ち塞がる警官の銃は通信機に修正されている)
当時の配給会社にコネがあった友人YYのおかげで、その後の新宿ミラノ座、新宿ピカデリー、渋谷パンテオンで行われた試写会でも観る事が出来た。公開前にこれだけ観た映画も他にないし、それほど素晴らしい映画だったが、同じ年に8部門を独占した「ガンジー」があったために、スティーブン・スピルバーグ監督はアカデミー賞で監督賞も作品賞も取れなかった。不運と言うしかないか。
1982年7月8日 丸の内ピカデリー 関係者試写会
1982年10月21日 新宿ミラノ座 試写会
1982年11月10日 新宿ピカデリー 試写会 その他劇場鑑賞複数回、TV、DVD複数回
【地球外生命体E.Tと少年の交流を描く80年代SFヒューマンファンタジー映画の逸品。今作は、不惑の年代以上のモノには忘れられないシーンが満載である作品でもあるのである。】
■年代的に、映画館では観ていないがTVで観たモノである。
そして、今作の魅力は地球外生命体E.Tを善なるモノとして描いている所と、彼と心を通じたエリオットを始め、少年達が必死にE.Tを助けようとする姿であろう。
◆名シーンの数々<Caution!内容に触れています。>
・何らかの理由により、地球に置いて行かれたE.Tをエリオットが見つけ、自宅に匿うシーン。
E.TはTVや漫画で文字を覚え、カタコトの言葉を話す様になる。
・E.Tをエリオットが自転車の籠に入れて、煌々と光る月の前の空中を飛ぶシーンは、誰でも知っているのではいかな。
・更にE.Tは独特な長い人差し指で(先頭が光る。)、エリオットの指先の怪我を治すシーンも忘れ難い。
■E.Tがエリオットたちが集めたガラクタで通信機を作り、故郷の星と連絡を取るシーンや、瀕死のE.TをNASAの科学者が介抱するも、死に至る過程からのE.Tの胸が光り蘇生するシーン。
そして、E.Tを少年たちが再び自転車の籠に入れて逃げるシーンで、少年達の自転車が大きな夕日をバックに飛ぶシーンも忘れ難い。
・勿論、ジョン・ウィリアムズのメインテーマが今作に至福なる余韻を与えている事も、忘れてはいけない。
<エリオットたち少年達と、E.Tの別れのシーンも切ないが、名シーンであろう。迎えに来た宇宙船の前で、E.Tは”イッショニ・・。”と言うが少年たちはE.Tの生命の象徴である咲き誇る菊の花を持って別れるのである。
今作は、80年代SFヒューマンファンタジーの映画の逸品なのである。>
■今作でも一瞬登場するヨーダとE.Tが似ていると思うのは、私だけだろうか・・。
素直に感動
実は今回、初めての鑑賞。
金曜ロードショーで放送すると知り、それなら生涯1回くらいはこの不朽の名作といわれる超有名作を試してみようと思い録画してみました。
子供たちの素直さ、柔軟さ、ラストの、ずっと記憶(心)にいるよという台詞の温かさ。
ところどころに散りばめられたクスッとなるシーン、かの有名な自転車のシーンなど、うん、やっぱり素晴らしかったです。
40代も半ばになろうという大人ですが、いつまでもこういう作品に、素直に感動出来る心を持っていたいなとも思いました。
観られて良かったです。
トモダチ
"金曜ロードSHOW!" で2回目の鑑賞。
名匠スティーブン・スピルバーグ監督による、SFファンタジーの名作中の名作。映画ファンならば、是非とも一度は観ておきたい作品ではないかな、と…。感動した!
私が知る限り、めちゃくちゃ久しぶりの地上波テレビ放送じゃなかろうか。しかもゴールデンタイムに。8年前にDVDで観ましたが、テレビで観るのは初めてでした。
エリオット少年とE.T.の温かな友情が胸に染みました。E.T.を自転車の前かごに乗せて満月をバックに空を飛ぶ名シーンが飛び出したら、E.T.を宇宙に返すために少年たちが大人を相手に大奮闘するシークエンスへ突入。良質なジュブナイルの魅力に溢れたストーリーに心を鷲掴みにされました。
[余談]
最近の「金曜ロードSHOW!」マジで有能。これからは最新の大作映画から往年の名作まで幅広くラインナップするように放送方針を転換していくとのことで、以前の「金曜ロードショー」のようになってくれることを期待します。
[以降の鑑賞記録]
2022/05/14:土曜プレミアム
※修正(2024/02/16)
よかった
中学生の時に映画館で見て以来、40年ぶりに見た。指を合わせる場面が、いつあるか、ここかと思ったら全然指を合わせなくて、合わせないまま終わってしまった。そんな場面はなかったことに驚いた。
「ETゴーホーム」も言わなかったような気がする。
エリオットとETがなぜ心や体調がシンクロしたのだろう。ETは一度死んでなぜ復活できたのだろう。けっこういい加減な話だった。
ドリュー・バリモアがETを見て絶叫するのがよかった。
「ETがだんだんかわいく見えるようになる」と当時言われていて、オレはそうでもなかったのだが、改めて特に魅力を感じなかった。不格好で、嫌いではないけど、特に好きでもなかった。
お父さんは若い女とメキシコに行ったのだろうか。お母さんは子どもを3人も抱えて大変だ。しかしその割に暮らしぶりは豊かだった。卓球台を置く部屋があって、モトクロスは2台あって、車はアウディで大きな犬も飼っている。大きな会社に勤めているのだろうか。
モトクロスの無双っぷりがすごかった。あんなふうに飛び跳ねて走り回れたらさぞ楽しいだろう。あんまり関係ない友達も空を飛べてよかったね。
子供の頃の気持ちのまま
E.T
the extra terrestrial
リバイバル公開
朝から観に行きました。
(AM10:00のみ)
TOHOさんのいくつかで公開してくださっているのですが、
新宿はすぐ売り切れてしまったので、
錦糸町のTOHOさんへ。
1982年公開の作品ですが、
父親に連れて行ってもらって、
初めて映画館で観賞した、
実写映画だと記憶しています。
小学生でした。
観ながら、色々思い出していました。
何度も泣きました。
E.Tがたまらなくいとおしくなりますよね。
子供の頃のピュアな気持ち。
しかし、当日は素直に泣かずに、いつも我慢していました。
だからある意味、今の方がピュアかもしれません(笑)
しかし、観ながら、小学生だった自分や家族の事を思い、そして映画のストーリーに夢中になり、技術は今の映画とは違いますが、むしろそれが良いし、違和感もないです。映画自体は、本当に面白くて、本当に素晴らしかった。音楽も最高です。
自転車が飛ぶシーンのあの胸踊る感動は、何度見ても最高です。
今の時代に、こうして再び、大きなスクリーンで公開していただけ事、本当にありがとうございました。
字幕で、当時から、ずっと覚えていた言葉。
ET ウチ デンワ。
一生忘れない。
本当に幸せな時間でした。
普通に泣いた
午前10時の映画祭で鑑賞。
ひょんなことから地球に取り残されてしまった宇宙人と彼を偶然発見した少年エリオットの話。
初めは宇宙人に驚く少年だが、徐々に親交を深めていく。
最後の別れは涙なしでは見られない。
エリオット達が存在を隠し続けていた母親も最後にはETの存在がわかり、涙していたのにも泣けた。
主人公の家族が全員美男美女。 どうでもいいことなんだけどさ。 それ...
主人公の家族が全員美男美女。
どうでもいいことなんだけどさ。
それがすごく素敵。
でかい要素ですよ私の中では。
まぁ有名ですし、そりゃ感動するだろうなとは思った。
やはり感動した。
お兄ちゃんいい人だし、妹可愛いし、お母さん素敵。
お父さん素敵。
不良たちも最後、超良い人。
・・・
お父さん、「僕もE.T.を助けたい。10歳の頃からそう思ってたんだ」
と言っていたけど
そこをもっと詳しく、って感じだったかな。
偶然波長が合い、共鳴する体の、E.T.と主人公。
主人公がやけに「離れたくない。ずっと傍にいて。僕が守ってあげる」と言っていたのは
そういうことだったのかもしれない。
自転車でふわーっと浮くシーンはとても感動したし、興奮しました。
全然CGっぽくない自然な編集とか素晴らしい。
いい時代の映画
今さらながら、初めて鑑賞した。
母親の知らないところで子供が大人になっていく物語。
終盤、宇宙服を着た人たちが家に侵入してくるシーンは夢オチかと思ったが、手術やETの死に急展開していって驚いた。
登場人物の感情や考えの変化が唐突で、その背景やきっかけがあまり描かれていない点が82年代らしいなと思ったが、それでも今日まで語り継がれる感動作になっているということは、当時の映画が人々の感覚に与える影響というのはとても大きかったのだなあと思った。
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