イージー★ライダーのレビュー・感想・評価
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こういうお気楽なロードムービー好きだわあ、と思っていたら・・・。
恰好よくて、お洒落で、麻薬などアウトロー感もある「自由な空気感満載のロードムービー」だから、若者やバイク乗りのバイブル的存在になるのもわかるよなあ、と肯きながら観ていたら、、、
それはほんと表面的な一部分でしかなく、この映画の根幹は「お洒落なロードムービー」とは全然別のもっと重いものであることを知り、今さらながら「こういう映画だったのか!」と驚いた。
長髪やバイクなど普通からはみ出るものを忌み嫌い、排除しようと実力行使するアメリカ。
自由な国アメリカのイメージとは正反対。 ザ・村社会。
イメージとは異なる「アメリカの暗部」をあぶり出している。
彼らが旅をスタートしたカリフォルニアなどの西海岸はリベラルな風土だが、テキサスなど、どんどん南部の田舎の方に行くにつれ閉鎖的な風土へ。
これって最近どこかでお目にした構図。。 あっ、トランプ大統領の支持基盤だ!
オバマやクリントン、バイデンのようなクリーンでリベラルで都会的なトップを選ぶアメリカもあれば、実利主義でアメリカ第一で白人労働者階級を露骨に優遇するトップを選ぶアメリカも存在する。(上映から50年を経過した現代でも!)
最後の、命があまりに簡単に奪われるシーンは、保守的な人間の「我こそ正義」という感を強調することに成功している。 (これは飛行機で撮ってるよね?まだドローンないものね。)
興味深い作品でした
BSプレミアムの録画をようやく鑑賞。
ヘンリーさん、ジェーンさんの映画は観たことあったが、ピーターさんのは観たことないので、この映画が気になっていた。それにデニス・ホッパーさんも出ていると知って、さらに興味が湧いていた。デニスさんは監督もやってたのは知らなかった。
ピーターさんの方は、頭が良さそうな、ハイレベルの大学中退という感じ、デニスさんの方は、感覚と感情で生きてる感じで、主演ふたりは分かりやすいキャラクターではあるが、最後まで素性は不明。まぁ素性はどうでもよくて、両極端な人物によって、アメリカの若者全体を代表させたという気がする。社会の型にはまらない、はまりたくない若者、なのだけれど、バイクには星条旗、キャプテンアメリカという呼び名など、USAという国には愛着がある・・・USAならもっと自由に生きられるはず、といったところだろうか。保守勢力の力が強すぎて生きづらい、もっと自由を!なのだが、最後は保守勢力に殺されてしまう・・・保守派に対しアグレッシブだが、これがアメリカン ニューシネマか。
前半、まばたきするような場面切り替えが気になった。途中からなくなったが、どういう効果を狙ったのかよく分からず。
ヒッピーのコミュニティのところで、メンバーの胸から上をひとりずつ見せていく場面があるが、それぞれ無表情で左か右の斜めを向いており、まるで肖像画で非常に印象的だった。意図的にポーズをしていたに違いない。何を狙ったのか真意は不明だが、自由を求めて来たのは良いが、食べる物もままならない、といって帰ることもできない立ち往生の状況という感じが伝わってきた。
このレビューで入れる印象の選択肢には当てはまるものがない。
米ニューシネマ代表作
メキシコ国境で危険な麻薬取引で稼いだ大金を手にして、さあこれで働く必要はない、今日から俺たちは自由だ、人生を楽しもう、ニューオリンズの謝肉祭っていうイベントでも見物に行くか、と、イカした大方バイクに跨がり、大陸横断ツーリングに出る二人の若者。
一人は反体制を示す長髪である。ビートルズが大流行するまでの1960年代のアメリカは保守的で、男性は短髪とされていた。出発地点の西海岸やヒッピーの集落、無垢な田舎ではよかったが、保守的な南部に近づくにつれて、旅はイージーではなくなって行く。地元の男性達はアンウェルカムというか敵意が剥き出しで、旅が困難になってしまう。
それでも、地元の名士の息子に助けられて旅を続けるが、一人、また一人と暴力によって抹殺されてしまう。
「ヤツらは(俺たちの)自由がねたましいんだ。」
生活費の稼ぎ方からして、自由過ぎるのは否めない。でも、長髪というだけで攻撃対象になるのは、なかなかである。自由の旗手アメリカにもそんな時代があったのだ。
音楽のノリもよく、ロードムービーでもあるので、なんだかツーリングがしてみたくなる。
ジャック・ニコルソンの、良家のお坊ちゃま風アイビーファッションが、演技同様、とても良かった。
特典映像を見たら監督だったデニス・ホッパーが、襲ってきた強面の男性達とキャーキャー言ってくる女性達は本当にレストランの客で、撮影時にその場でスカウトしたと言ってて、びっくりした。とーしろーさんと思えなかった〜。笑
What’s wrong with freedom? 最後はポカーン(゚д゚)
バイクに興味ないしあまり楽しめないかもしれないけど、超有名作品なので一応観ておこうと思って足を運んだ「午前10時の映画祭」。思ってたより楽しめました。でも、最後にいきなり撃ち殺されたのにはポカーンでした。大ヒットしたって事は当時の人はあれに納得いったのでしょうか?謎だ。
内容がどうこうというよりも1960年代の文化を映像で見れた事が興味深かったですね。方やヒッピーであったり、方や南部の閉鎖的な感じであったり。今では歴史を感じるファッションも当時は新しかったのでしょう。あれで反抗的って言われる時代ってストンと理解はできないのですが、もはや教科書に出てくる歴史上の事柄とかと一緒で「そんなもんだったんだ」って受け入れるしかないですね。でもドラックで幻覚を見ているような映像は実際にやってた体験から来ているに違いない!
ぶつ切りの映像だったりするのを見て、きっとここから今のミュージックPVとかに繋がってきているんだろうなっと思いました。ストーリーがあるようでないので、感覚的にはPV観てる気持ちに近かったです。こういう所から今のPVが出来上がってきたんだなぁっと思うと感慨深いものがあります。
よくよく考えると当時若者だった人たちがあの頃20代としも今では80代ですよね。その前後の世代の人が見れば「ああ、あの頃はこうだった」っと懐かしい気持ちになれるのではないでしょうか。人に薦めるような作品ではないにせよ、映画史に爪痕を残している貴重な作品である事は間違いと思います。ニッニッ!
アメリカンニューシネマの傑作
公開当時劇場で、暴走族風のグループがいて、映画が映画終わった後、彼らが首をかしげていたのを覚えている。ポスターだけ見たら、チョッパーのかっこよさを描いた映画だと勘違いしてしまうかもしれない。
アメリカンニューシネマの定義はよくわからないが、それまでのアメリカ映画とは異なったテイスト、反体制的な物語を内容とした映画であると定義すれば、間違いなくこれがベストワンであり、個人的にもいちばん気にいっている。
ヒッピームーブメントに揺れる当時のアメリカ。だが、彼らには無縁であった。結局、どこにも居場所がなく、因習によって抹殺されてしまった。
内容は深刻で、ラストも悲惨だが、広大なアメリカを大型バイク(イーグルハンドルと言って当時流行っていた)に乗って気持ちよくクルージングする彼らを見ているのは実に気持ちが良かった。自由気ままにと言う表現がぴったりだった。結局その自由が奪われてしまうことになるのだったが。
脇役ででていたジャック・ニコルソンが、のちに大スターになるとは夢にも思わなかった。同様に、娼婦役のカレン・ブラックも、後に彼と「ファイブ・イージー・ピーセス」で共演するまでになるとは、想像だにできなかった。
「卒業」あたりから、既製のポップミュージックをうまく映画音楽として使われるようになったが、この映画も映像とうまくマッチングしていた。
衝撃
フルカスタムされたハーレーダビットソン!往年のクラシックカー!アメリカの雄大な自然と景色!古き良きアメリカといったファッション!広大な大地をバイクで駆けるに相応しい音楽たち!男の友情!そして、果てしない『自由』!!と思ったら、最後に当時のアメリカによる『現実』を突きつけられて衝撃でした・・・
ビリーが体現しているものを人々は恐れる、それは紛れもない『自由』であると。
人々は自由を説きたがるが、本物の『自由』を目の当たりにしたとき、それを恐れて排除しようとする、と。
中盤でジョージハンセンが彼に話した内容ですが、まさか最後にその伏線を回収されるとは・・・
今の社会にも通じるものがある気がしました。さすがに殺しはしなくても、はみ出し者というのは社会的に排除されることも多いし。それを恐れて、レールから外れるという行為ができない人も多々いると思うんです。それでも、ワイアットやビリーが生きた時代よりかはだいぶマシになったとは思いますが・・・人々の多様性への理解も含めて。
でも、駆け抜けた青春って感じですごく楽しかったし、ワクワクしました。途中で立ち寄った集落みたいなところで、ダブルデートみたいなことをしていたのがかわいかったなぁ。
星条旗を敷いたり星条旗に乗ったりするワイアットのことを“キャプテン・アメリカ”と呼んだり、表情が豊かでよく笑うビリーのことが大好きです。
フリーダム
ドラッグをきめて、チョッパーバイクにまたがり旅をする長髪の男達。一般的に不良と言われるのはこっち。でも、本当のならず者は、自由を怖がる保守的な人間なんだ。
民主主義の敵は権力だけではない。自由の象徴として描かれる彼らをいとも簡単にリンチし殺し潰してしまう隣の人間、それは権威を許し甘んじさせている私達のことなのである。
かっこいい
初めて見たのは大学の時で、アパートに友達がビデオを持って来てくれて、伝説的な名画であるとは聞いていたので、どんなすごい映画かと思ったらバイクでだらだらふらついて、なんか撃たれて死ぬだけみたいな全然面白くなくてびっくりした。そもそも面白いドラマ性のある映画ではなかったのだった。
デザイナーがデザインしたみたいな山の色とか、バイクのかっこよさとか、皮ジャンとかグラサンとかろくに女に手を出さないピーターフォンダが童貞じゃないのかとか、ラリってる感じが楽しそうとか、音楽がすごく感じがいいとか、それでいて疎外されてまともにホテルにも泊まれないところとかそういう映画だったのだ。
自由とはそういうものであると、保守的な人からは白い目で見られて、嫌味を言われて、揚句に殺されることすらある。仲良くしてくれるのは刺激を求めているガキや、酔っ払い、売人、ヒッピー、売春婦などチンピラばかりなのであった。
実際、チョッパーバイクなんて、両手を万歳みたいにあげて乗るバイクなんて、そうそう乗り心地も全然よくない。肩が凝りっぱなしなのだ。初めて見た時は童貞だったし、ヤクの意味も全然分からず、バイクにも乗ったことがなかった。なので面白いと思わなくても当然なのだ。野宿してたらリンチに合う、せめて壁やドアがあればそんな目にも合わなかったかもしれない。死体も野焼きだったし、それでも自由を、あなたは求めますかという選択を突き付けるような厳しい映画でもあった。ヤクにしろバイクにしろ女にしろいい面ばかりじゃなくて、むしろやっかいごとだらけなのにとてつもなく魅力がある。無情であり無常でもあり、だからといって退屈な日常も耐え難い。そう思うと身の丈にあったほどほどなのが一番なのかな。
いつかスクリーンでも見たい。
(追記)
早稲田松竹で念願のスクリーンを体験できた。ところが、前回ほど心に沁みなかった。『ロッキー』などでも大感動、そうでもない、大感動のように見るたびに印象が違う。期待が大きすぎるせいもあるのだろう。またそのうち忘れた頃に見てみたい。
ピーター・フォンダのグラサン顔がめちゃくちゃかっこいい。ところがグラサンを外すとそこそこなイケメンだった。
旅を通しながら、アメリカの田舎のいろいろな暮らしを見せていく構成だった。
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