「ヒトラーはヒトラーを演じ デ・ニーロはカポネを演じた」アンタッチャブル マツドンさんの映画レビュー(感想・評価)
ヒトラーはヒトラーを演じ デ・ニーロはカポネを演じた
デ・ニーロ演じるカポネが興奮した際のしぐさ、どこかで見たことがあるようだな~、と思っていたら思い出しました。ヒトラーの演説中の身のこなし、そのままです。
ヒトラーは若いころ演説について教えを受け、自ら研究して、あの演説を作り上げていったそうです(「ヒトラー演説」高田博行著)。つまり、あの演説は素のヒトラーではなく、ヒトラーという人物像を作り上げ演じた虚像なのです。
そしてデ・ニーロはそのヒトラーの演技に学び、カポネの役作りをしたのでしょうか。つまり、カポネの狂気性は、ヒトラーが演じた狂気性をあてはめて演じるのがふさわしい、とデ・ニーロは考えたのだろうと思うのです。多分。
この映画、デ・ニーロの癖のある、ねちっこい、そしてどこか諧謔みのある演技だけで、見る価値があると感じました。
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