雨の訪問者のレビュー・感想・評価
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雨に濡れて風邪をひいたかルネ・クレマン
ルネ・クレマン監督に、チャールズ・ブロンソン主演のノワール風味のサスペンスだけど、途中から何が何だかわからなくなってしまい残念でした。冒頭、雨の中、田舎町のバス停に降りた訳ありの男、赤いバッグ、ブティックで試着している所を見られる女、と独特の雰囲気作りに引き込まれます。訳あり男に自宅で襲われた女は、猟銃で返り討ちにして死体を崖から海に棄ててしまうが、翌日謎の男が訪ねてくる。それが、ブロンソンときたら、待ってましたと合いの手を入れたくなります。本当にこの役者さん、何を考えているのか分からないキャラがうまく、そこにいるだけで空気がガラッと変わります。とは言え、お話しは段々と錯綜気味となり、主役二人の行動や考えもわかりづらくなってしまうのが残念。結局、二つの事件が同時進行だったことが分かってくるんだけど、それぞれの当事者の視点やセリフで、観客をもっとうまくミスリードするような展開と伏線回収があったら、上質のノワール・サスペンスになったのに、雰囲気が抜群の上、フランシス・レイのテーマ曲も名曲なので惜しい限りです。役者では、言わずもがなのブロンソン推しですね。マルレーヌ・ジョベールはスタイルがいいけど演技は今ひとつ。
女優さんがかわいい声をしていた。
サデ○スティ○クとマ○ヒスティッ○な話。
音楽だけで見た気になっていたが、初見かもしれない。
主人公の女優さんの声がかわいい声をしていた。
あの着替えのシーンなんとなく覚えている様な気がするけど雑誌の『SCREEN』のグラビアかもしれない。
ショートカットの女性が流行っていたと記憶する。
この話は脚本家が、セバスチャン・ジャプリゾで『シンデレラの罠』の作者なので期待したが、この映画での人物設定に合理性が感じられず『シンデレラの罠』と同じ、屁理屈なフランス作品かと思った。
フランスの屁理屈よりも、アメリカンな
コロンボ警部の『じらし方』の方が陰湿に思える。
『シンデレラの罠』は高2くらいに読んだ。しかし、犯人はわからないまま。苛ついて本を捨てた。
『ミドラ伯母さん』?新訳が出て、理解しやすいとの事なので、読んで見る事にした。
ブロンソンはかっこいい
レイプされた女(マルレーヌ・ジョベール)は、すきを見て男を殺してしまう。 警察に知らせず死体を海に投げ込む。 翌日、謎の男(チャールズ・ブロンソン)が現れ、知っているので真実を話せ、と迫ってくる。 シラを切り通す女だったが・・・。 今回が一番楽しめた。
ブロンソンが最高だね
中学生の時みんなブロンソンが好きだった。「狼の挽歌」「さらば友よ」そしてこの「雨の訪問者」憎たらしいほどカッコいい。その後ハリウッドでも様々な作品に出ていたなあ。「狼よさらば」と「マジェステック」懐かしい。あの頃に帰りたい。新宿「ローヤル劇場」にタイムスリップしよう。
雨中の靄に揺蕩い、浮遊感を楽しむ作品
チャールズ・ブロンソンという、決して器用ではないものの、スクリーンに現れるだけで野性味溢れる男臭さを放散する俳優がいました。 映画史に残るような名作に主演することはなく、専らその隆々たる肉体を駆使したアクション映画が多かったのですが、年輪を重ねた皺面に口髭を蓄えたその特異な容貌によって独特の異様な存在感があり、特に日本では長年人気を保ち続けました。 日本での彼の人気を決定づけたのは、1970年にオンエアされた男性化粧品マンダムのCFで、ジェリー・ウォレスの歌う、軽快でリズミカルなBGM「男の世界」も相俟って爆発的なブームとなり、商品も空前のヒットを遂げました。 その同じ年の春に公開されたのが本作です。 僅か数秒間のマンダムCFの衝撃的登場に加え、本作で彼が演じた、渋味と苦味、侠気に少しの妖気を纏ったハリー・ドブス役こそ、彼の野性的な魅力を増幅させ、一気に日本での人気スターの座を射止めたといえるでしょう。 フランスの名匠ルネ・クレマン監督が、晩年に取組んだミステリードラマの傑作です。 南仏の海辺の小ぢんまりとした町を舞台に、タイトル通り事件は小糠雨がそぼ降る日に起こります。驟雨、霧雨、叢雨、白雨、作中の殆どのシーンが雨中で展開していくため、全編を通じて憂鬱な空気が蔓延します。 本作はマルレーヌ・ジョベール扮する若い新妻メリーが主人公であり、常に肌の露出度の大きい白い衣装を纏い、まるで少女のような仕草や表情は可憐で純情で、いかにも危うい一方で、物語の進行につれて気丈で強かな一面も兼ね備えていきます。 彼女が起こした事件とその揉消し、そのプロセスで起こる謎の事件が、全てメリーの視点による仰角気味のカットで映像が作られるので、観客は自然と不安と猜疑に苛められながら、徐々に彼女に感情移入していきます。 ハリー・ドブスは、彼女に付き纏いその謎を追及する謎の人物であり、スパイラルに謎が深まり、観客は終始亜麻色の靄に包まれたような茫漠感と当惑感覚に麻痺させられていきます。 南仏、豪奢な館、消えた大金、雨、謎の男、そして二つの殺人事件、フランシス・レイが奏でる流麗で寂寥感漂うBGMが、物語を一層ミステリアスで妖しくさせ、どこかアンニュイな情感を鏤めさせながら、映画はエンディングを迎えます。 ルネ・クレマン監督が創り出した靄の中をただ揺蕩い、独特の浮遊感を味わうのが本作の醍醐味といえるでしょう。
ガラスが割れると恋してる証拠・・・ラブ♡ラブ♡
白のエナメルコートが眩しい夫人メリー。母親の経営するボーリング場でバスから降りる見知らぬ男(ジェイソン・ステイサム風)を見かけ、その晩、その男に襲われ、隠れていたそいつをショットガンで撃ち殺してしまう。なめんじゃねーよ!とでも言いたげなメリーの逞しさに驚かされるが、正当防衛が認められるだろうから正直に警察に言っちまいなよ・・・と、応援したくなるのですが、彼女はそうしない。ここから嘘のつきっぱなしの5日間が始まるのだ。
ストーリーが途中からどうでも良くなってくるのは、もう雰囲気だけを楽しむ映画なのだと気づく中盤あたりから。殺人の翌日から刑事のように執拗に絡んでくるハリー・ドプスというアメリカ人。TWAの赤いバッグと赤い車。胡桃、酒、車のキー、レーシングゲームと小物ばかりが目立つようにストーリーはチャールズ・ブロンソンが何者なのか?という点に絞られてくる。
あくまでも「殺してない」と主張するメリーにも母親のトラウマがあったり、そして札束とコインという原因も目的もわからない不可思議感にとらわれる。あ、それで何故メリーはパリまでわざわざ?数学、地理、心理学、統計学と、無意味にドブスと張り合ったりして、さらに無実の女を助けるためだけで大胆な行動ができるハズもない。結局、ドブスの目的は何???
迷宮に陥ってしまいそうな展開ですが、冒頭ではちゃんと「不思議の国のアリス」の台詞が登場してることを思い出す。もう深い穴に落ちちゃったんですね。そしてメリーの名前もメランコリーから来てるとか、それほど鬱っぽくはないのですが・・・。でも一番衝撃的だったのは、メリーが殺した元ボクサーの犯罪者の名前が実は「マクガフィン」だったこと!あぁ、そういうことだったのですね。最後に見つかったボタンを投げるとガラスが割れるということからして、結局はドブスがメリーに恋をしただけの話だったのか・・・すると、タイトルも事件も全てマクガフィン。まんまとやられてしまった感じです。
フランス映画を観たという満足感がある
フランシス・レイのテーマ音楽が最高! これは映画音楽の定番人気曲でも有名 撮影がまた良い 「太陽がいっぱい」に似たタッチのフランス映画らしさが映像にある そして舞台は南仏プロバンス地方マルセイユの近くマリニャーヌ郊外の海沿いの村 ひなびた南仏の空気感と温かい雨、明るい陽光が美しい そこに主人公の旅客機パイロットの若妻役のマルレーヌ・ジョベールが登場する 彼女や彼女のちょいとスレた母親役の女優がまとうハイセンスな衣装がまた素敵なのだ まるで生活感のないお洒落感のある世界を意図的に徹底している チャールズ・ブロンソンは主演というよりは ゲスト扱いというべきで、本当の主演は若妻役のマルレーヌ・ジョベールだ 彼女は30歳くらいであろうか、まだまだ十分に美しく、少女の面影すら残しており実際に子供っぽい その大して頭の良くない行動がまた可愛く許せるのだ 彼女だからこそ、この独特な空気感のサスペンス物語が成立しているのだ その性格を強調するために懐かしいスロットレーシングのミニカーを冒頭に登場させたりする チャールズ・ブロンソンは本物の大人の男とはこう言うものだという態度物腰をみせる それは主人公の亭主のパイロットの小物ぶりとの対比で強調される 彼の持つ余裕は鍛え上げられた肉体が発する比類ない行動力と実力を秘めている雰囲気がもたらしているものだ これぞ渋さの名技だ ラストシーンの背後のガラスが割れてチャールズ・ブロンソンが振り返って少し微笑むところに大人のドラマの妙味がある お話も十分に面白いが、サスペンスの謎解き等は本作ではどうでも良いことであって深く説明も掘り下げもしない 可愛い若妻が健気に殺人を隠そうと彼女なりに浅知恵を駆使して悪戦苦闘し、それをチャールズ・ブロンソンが別の目的でその殺人の真相を余裕たっぷりに彼女をからかいつつ、探ろうとする そのときの二人の間の関係性を巡る空気の微妙な匂いを楽しむそんな映画なのだ 流石はルネ・クレマン監督と感服せざるを得ない 翌年の「夜の訪問者」は続編ではなく、全く関係ない内容 チャールズ・ブロンソンが主演というのが同じというだけだ あちらも良い映画だが、本作の方が断然良い
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