「心もタップを踏んでいた!」雨に唄えば 大吉さんの映画レビュー(感想・評価)
心もタップを踏んでいた!
ミュージカル・コメディ・ロマンス・映画内幕もの
あらゆる面白要素を詰め込んだミュージカル映画の金字塔・シネマクラシックとして輝きを失っていない今作も、半世紀以上前に製作された時点で、それまでの映画・ミュージカルにオマージュ・リスペクト・パロディしているという映画ファンにはたまらない作品です。
ジーン・ケリーとドナルド・オコナーのダンスはまるでジャッキー・チェンのアクションを見ているみたいに楽しい。(ジャッキー・チェンがジーン・ケリーのダンスのようなアクションしてるんだけど)
こんなにダンスがいっぱいで、こんなに歌がいっぱいで、こんなに笑って、こんなに楽しくて、映画史に残る名シーンまであって1時間40分。
もちろんTO BE CONTINUEDじゃないですよ。
オール・ザット・ジャズ以降のミュージカル映画のようにダンサーのアップを撮ったり、ダンスを編集していろんな角度から見せたりしない。ジーン・ケリーのダンスを、ドナルド・オコナーのダンスを、シド・チャリシーのダンスをほとんどワンカットで見せて堪能させてくれる。
ミュージカルが苦手という人、最近のミュージカル映画で感動したという人に是非是非観てほしい。
レビュータイトルは40年以上前、MGMミュージカル映画がリバイバル公開された時の惹句です。
配信などなくレンタルソフトもまだまだ普及していない時代、新作以外、映画はテレビの洋画劇場か名画座で観るしかなかった時代。和田誠さんの「お楽しみはこれからだ」とザッツ・エンターテイメントで、「雨に唄えば」はいつか劇場で観てみたい憧れの映画のひとつだった。(憧れの映画って今の人にはわからないだろうなぁ)
憧れの映画を、憧れの街京都で(四条大宮の映画館だったなぁ)、憧れの人と一緒に観た思い出。心もタップを踏んでいた。
午前十時の映画祭ありがとう。
共感、コメントありがとうございます。ジーン・ケリーの悪口を書いてしまいましたが、もちろん、個人的好みに過ぎません。この作品がほんとに素晴らしいことは間違いないのです。ところで、今、MGMはアマゾンの傘下なんですがその割にはプライムであまり名作が配信されないような気もしているのですが…
私はまさに「ミュージカルが苦手という人」なのですが、本当に見てよかったです。
「憧れの映画を、・・・」以下の文章、大吉さんの気持ちがとてもよく伝わりました。
いい映画って、やっぱりいいですね。