アミスタッドのレビュー・感想・評価
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力強く感動的な歴史ドラマだ。
奴隷輸送船アミスタッド号で、反乱を起こした黒人奴隷たちが、殺人罪で訴追される。船はスペイン船籍のため、女王イザベル2世が奴隷の所有を主張。また、白人乗組員の生存者モンテスとルイス、船を捕獲した米国海軍の船長まで、奴隷の所有を主張する、、、。
騙されて連行された奴隷たちによる、血みどろの恐ろしい事件を契機に、国際問題に発展し、米国の司法制度が問われたアミスタッド号事件(1839年)を描く一大歴史ドラマだ。
台詞で語らせ過ぎとか、より短くスマートに描けたらと思った人がいたかも。良い映画だが、上映時間が長い(154分)。背景知識を知ったほうが、理解しやすい映画とも思う。
後の奴隷廃止運動の拡大をもたらした、歴史上の一大事を、ドラマティックに描き出す。舞台的な雰囲気があるし、人間味にあふれた、力強く感動的な映画であることは間違いない。
奴隷貿易の衝撃的な映像化
この演説は自己満足
1800年代。奴隷船で暴動を起こしたアフリカ系奴隷と、彼等を救おうとする人々の奮闘と友情を描いた物語。
スティーブン・スピルバーグが監督を務める、史実に基づいた作品です。
西洋でアフリカ系奴隷が過酷な運命を強いられたことは、一般的な知識として理解はしていましたが、細かい事柄迄知っていなかったことを痛感しました。
国による方針の違い、出自による権利の違い、そして南北問題。
物語は、それらに翻弄されながらも繰り広げられる法廷闘争を軸に、文化も言語も違う二人の青年・・・・弁護士とアフリカ系奴隷のリーダー・・・二人の友情を描きます。
現代の人権意識を映画に反映させず、その時代の価値観を軸にしたことは好印象でした。
また、エピローグのもの悲しさも秀逸。人種差別問題はここから100年以上深刻に続き、今でも根深く残っているのですから、ハッピーエンドの描き方の方が違和感を感じるところです。
ただ、アンソニーホプキンス演じるジョン・クィンシー・アダムズの演説は、強烈な蛇足でした。演説開始当初はどんな素晴らしい演説をするのか・・・と字幕に釘付けでしたが、徐々に飽きを感じ、最後は早送りをしたい衝動を抑えるのに必死でした。内容に乏しいうえ、余りにも長すぎて映画全体の私的評価を下げざるを得ませんでした。
史実ですから仕方ありませんが、一審でFIXすればとても良い終わり方だったように感じます。
予習してから観た方がいいかも
史実を知らないと取っ付きにくいが、、
地味だぁ
祖先の証
奴隷解放
最初の裁判ではマコノヒーの弁護士が有利に進めるが、突如裁判長交替劇が起こり、陪審員なしの裁判へと変更させられる。この最初の裁判でも、異なる言語での翻訳コメディのような雰囲気があり面白かった。英語、スペイン語、メンデ語の間の意志の疎通の難しさ、通訳探しに奔走する弁護士マコノヒーとモーガン・フリーマン。何しろアメリカが独立して間もない頃の民主主義国家なのだ。フリーマン演ずる奴隷制度廃止論者も数少ない時代だ。
途中、フンスーの回想シーンにアフリカから奴隷船へと映像が変わるのだが、これが痛々しい。黒人女性へのレイプ、黒人奴隷をロープで繋いで海へ投げ捨てるシーンは直視できないほどの映像だ。「我に自由を!」と裁判中に覚えたての英語で叫ぶフンスーが印象的だ。
後半は奴隷解放に関して内戦勃発を恐れ悩む大統領、彼らを殉教者とすれば運動にはずみがつくと企む奴隷解放運動家、そして権力側のエゴのために翻弄される被告黒人たちが何も知らずに自由を追い求める。
ラストは虚しい終り方だが、歴史を忠実に表しているからしょうがないのか?全体的に南北戦争前夜という描写だけの歴史ドラマに過ぎないように思えた。もっとフンスーをメインに黒人の怒りを描いた方が感動的になるとは思うのだが・・・スピルバーグは法廷映画に弱いのかもしれない。
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