劇場公開日 1998年2月28日

「この演説は自己満足」アミスタッド よしさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5この演説は自己満足

2023年11月8日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

1800年代。奴隷船で暴動を起こしたアフリカ系奴隷と、彼等を救おうとする人々の奮闘と友情を描いた物語。

スティーブン・スピルバーグが監督を務める、史実に基づいた作品です。
西洋でアフリカ系奴隷が過酷な運命を強いられたことは、一般的な知識として理解はしていましたが、細かい事柄迄知っていなかったことを痛感しました。
国による方針の違い、出自による権利の違い、そして南北問題。

物語は、それらに翻弄されながらも繰り広げられる法廷闘争を軸に、文化も言語も違う二人の青年・・・・弁護士とアフリカ系奴隷のリーダー・・・二人の友情を描きます。
現代の人権意識を映画に反映させず、その時代の価値観を軸にしたことは好印象でした。
また、エピローグのもの悲しさも秀逸。人種差別問題はここから100年以上深刻に続き、今でも根深く残っているのですから、ハッピーエンドの描き方の方が違和感を感じるところです。

ただ、アンソニーホプキンス演じるジョン・クィンシー・アダムズの演説は、強烈な蛇足でした。演説開始当初はどんな素晴らしい演説をするのか・・・と字幕に釘付けでしたが、徐々に飽きを感じ、最後は早送りをしたい衝動を抑えるのに必死でした。内容に乏しいうえ、余りにも長すぎて映画全体の私的評価を下げざるを得ませんでした。
史実ですから仕方ありませんが、一審でFIXすればとても良い終わり方だったように感じます。

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よし