「技術満点 内容???」アニー・ホール 越後屋さんの映画レビュー(感想・評価)
技術満点 内容???
映画技術としては、本人のシーンに本人の分身が登場したり、過去のシーンに現在の自分が入り込んだり、対立する会話を二分割画面で表現したり、ディズニー漫画の中に登場したり、アイデアの限りを尽くした様々な手法が次々と展開してゆくので退屈しません。
一方、内容的にはよく言えばシュール、悪く言えば無意味なセリフや唐突な場面展開が頻出します。ユダヤのくせにユダヤを揶揄するような「軽み」が救いですが。
また、当時のアメリカ人でないとピンと来ない文化人・芸能人や時局をネタにしたジョークや皮肉が核心なので、日本人には理解できない、というのが正当な評価です。
竹村健一とか槙枝委員長とか金語楼とかが出てくる50年前の映像を見せられたら、外人は勿論、今の日本人が観たって全然わからないのと同じです。
「都会的な洗練されたセンスがわかる俺」みたいに勘違いする人には重宝する。そんなカンジの作品んです。
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