劇場公開日 2000年1月8日

「待ちわびた偶然」ANA+OTTO アナとオットー コバヤシマルさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0待ちわびた偶然

2022年1月6日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

興奮

知的

幸せ

内容は、ANAとOTTOから見た円環と人の繋がりをテーマにおく恋愛物語。恋愛モノは最高の思い出を残したまま満たされない呪いの中に生きる事だと思うので、それを素晴らしく美しい映像化で組み上げられた作品だと感じた。伏線の張り方が絶妙で映画IQも多少必要だが見れば観客が取り憑かれるであろう作品。そしてミスリードも絶妙で観客を飽きさせない作りは脱帽だ。全体的に叙情的で静かだが北極圏の沈まぬ太陽の表現は美しかった。タイムラプスと水面を移す心象表現は凄い。最初に天を仰ぐANAの涙が溢れてくる映像と別の世界に行きたくて夢に見た自分が夢の世界に辿り着きアンハッピーエンドながら幸せそうでカタルシスも感じた。ANA父の死がANAにも関係する辺りと心の窓からバリエンテ"勇敢"に入ってきてや外のOTTOの心騒ぐ庭の様相など分かりやすく面白い。紙飛行機で愛の言葉を書いて飛ばす辺りなど何を書いたのか気になるし、飛行機に乗って来ると言う伏線も美しく寒さは観ていて感じるが、じんわり心温まる好きな作品の一つになりました。

コバヤシマル