「美し過ぎた」アナザー・カントリー 映画イノッチさんの映画レビュー(感想・評価)
美し過ぎた
英国の自然も、キャストも、レトロな校舎も、カラフルなベストも、映像全てが息を呑む美しさ!それに尽きる映画なのかも知れない
忘れ得ない素晴らしい映画です
ガイもジェームズも、とにかく若い!
現在の彼等を画像で見てしまっているからこそ、余計にそう感じる
そして男性なのに女性以上に美しいとさえ感じてしまうのは自分だけではないと思う
特に心に残ったのは、深夜に約束もしてないのに抜け出した2人が、偶然出会い船で寄り添うシーン
青春の儚さ・刹那さとともに脳裏に焼き付いて離れない
キスさえせず、夜が明けるまで身を寄せ合うなんて!!
綺麗で純粋無垢な恋心がそこに充満している
あのシーンを見ているだけでこちらも幸せになれる
『青春』を思い出しキュンキュンする
ただ、あんなに明るいところでは誰かに見つかりはしないかとドキドキもするけどね
最後にインタビュアーが「会いたい人は?」と聞いた時、ガイが「ジェームズ」と呟くのかと勝手に想像している自分がいた、いや、そう願ったのかも
上下関係や階級意識、エリート意識に傲慢さ、伝統的な格式や外見だけを気にする大英帝国の本質は、今も昔も変わっていないなぁと思う
その醜さ怒りを同性愛を切り口にして、実は告発したかったのでしょうね
2つ疑問が残った
①校内での首吊り自殺
簡単に見つかりそうなあんな場所で、あんなことを普通やるものだろうか?
自殺する程隠したいことなら、絶対にバレない場所を選ぶよなぁ
②ジェイは、実はガイに男同士の友情以上の気持ちを抱いていたのでは?
あれほど頭の切れるジェイが、ガイの奔放な行為を、青春時代の気の迷い的な感覚で捉えていたとは、どうしても思えないのだが
実在したスパイをモチーフに描いた作品とのことなので、トミーだけでなく
ジェームズのその後もテロップでいいので流して欲しかったな
タイトルのアナザーカントリーとは・・・
ゲイから見たノーマルの世界
英国人でありながら、人生の多くを送ることになったロシアという他国
マルクス主義から見た共産主義の世界
純粋な青年から見た偽善に満ちた大人の世界
色々な意味が含まれていると考えると、更に面白く奥深くなる