「すば抜けて怖いホラーでありながら、コメディ映画でもある」悪魔のいけにえ バイオレンス・アックンさんの映画レビュー(感想・評価)
すば抜けて怖いホラーでありながら、コメディ映画でもある
この映画が異様に恐ろしく思えるのは美術や撮影や音響のおかげが八割だと思う。本当に気持ち悪くて恐ろしいレザーフェイスの家の中やその家の外観、真昼の空の下でブオーンというエンジン音が常に鳴り響くその家はただの家であるにもかかわらずどこか異質で不気味な感じがする。
この映画の恐ろしさの残り二割は狂った家族の暴走っぷりなのだが、これは確かに意味わからんところで意味わからんことをされるわけだから怖いのは怖いんだが、音楽をコメディ調に変えるととたんにスクラップスティックコメディになってしまうだろう。
この映画は見ようによっては人食い一家のドタバタ喜劇なのである。しかし当時この映画を見た観客は恐ろしすぎて笑える余裕などほとんどなかっただろう。
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