「殺人鬼の恐怖と異常な家族の不快なダイニング風景が絶妙!」悪魔のいけにえ 足立佑介さんの映画レビュー(感想・評価)
殺人鬼の恐怖と異常な家族の不快なダイニング風景が絶妙!
もはやホラー映画の古典となった作品。
もう40年前の映画で、今観るとギャグと思えるような要素もあるが、
まだまだ充分な魅力をもっていると個人的には思う。
本作のストーリーは非常にシンプル。
展開もスピーディだが、置いてけぼりにされることはない。
一つ一つの演出や映像表現によって、うまく世界観に入り込んでしまう魅力があるからだ。
BGMを極力排して、叫び声や動作音だけで映像が進んでいく演出も、功を奏していると言えよう。
また、以前に観たたときはレザーフェイスによる単純な「恐怖」が際立っていたが、
いまになって見ると「異常さ」や「不快さ」も非常に強いと感じた。
特に、ソーヤー家のダイニング風景は不快そのもの。
根源的な不気味さや異常さが表現されているシーンだ。
ダイニングチェアに固定され、悪趣味な家具の数々に囲まれながら、ソーヤー家の食事風景を見させられる主人公の立場だったら、すぐ発狂しているだろう。
単純な恐怖や、何とも言えぬ不快さ、
そしてテキサスの夕焼けをバックとして有名なラストシーンの美しさ。
これらの様々な感情を掻き立てるのが本作。
現代でも魅力をもったホラー映画の古典だと思う。
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