「認めたくないがヒッチコックの奇形の子孫」悪魔のいけにえ あき240さんの映画レビュー(感想・評価)
認めたくないがヒッチコックの奇形の子孫
恐怖映画の革新的作品
それまでの恐怖映画は宗教なり迷信なりを背景とした、幽霊や妖怪を使って死への恐怖を喚起させるものであった
ドラキュラ初め数多くの作品はそのバリエーションだった
しかし、本作はそこを突き抜けている
宗教や迷信からくる死への恐怖という主題から自由になっているのだ
トビー・フーパー監督は恐怖映画に身体的痛みという人類普遍の共通言語を得てホラー映画という全く新しいジャンルを打ち立てた
正に映画史上の革新、金字塔だろう
現にこれ以降、この身体的痛みという言語を使った作品がそれこそ山ほど作られることになったのだ
サリーの恐怖に目を見開くクローズアップ
それはヒッチコックの作品を思い出す
殺人シーンの恐怖を抜き出して純粋培養したのが本作といえる
その意味で認めたくないが、本作はヒッチコックを継ぐものなのだ
いやヒッチコックの奇形の子孫だ
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