「嫌悪と恐怖の境界」悪魔のいけにえ Hakuna Bananaさんの映画レビュー(感想・評価)
嫌悪と恐怖の境界
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①80分強という時間もあってか、全体的にテンポ良く事が進んでいく。言い方を変えれば全部突拍子もない。ゆえにその先何が起こるか予測しづらい。不安感やイライラが溜まってくる。
②嫌悪感を煽る要素しかない。登場人物の恐怖の表情とか、クラクションとか、止まない叫び声とか、レザーフェイス一家のキチガイさとか、BGMとか、眼球の血管まで寄せたカットとかだ。
ホラー要素のないシーンですらその調子である。
ジェリーが全然車を止めなかったり、フランクリンがなかなか段差を登れなかったり、他の4人がフランクリンのことを煙たがったり、フランクリンが延々と牛殺しの話をしていたり、とにかくイライラを極限まで引き上げてくる。
この①と②のせいで、終始めちゃくちゃ胸糞悪い気分でしかなかった。この感覚も恐怖なのか。自分でもこれが何なのかよくわからん。
しかし、精神的ダメージは計り知れず、若干トラウマになったぐらいである。背筋が凍るような恐怖ではなく、心臓をえぐり出すような恐怖がこの映画にはあるのかもしれない。
80分という時間で、テンポ良く進めるところとしつこく引き伸ばすところのバランスがすごく良く取れていたと思った。
あとはカメラワークと編集。引きと寄せの対比とか、ワンカットが長い短いの対比とかすごい見るものを翻弄する。
技術的にはたいへんすごい映画なんだろうなと思いつつ、心はもう一度見るのを拒絶している(笑)
やっぱり自分は怖かったのかと今になって気付いた。
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