劇場公開日 1948年7月

「言葉の魔力」悪魔が夜来る jarinkochieさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0言葉の魔力

2021年11月9日
Androidアプリから投稿

やはり誘惑しなくてはならないので
配役は悪魔側が魅力的

アルレッティとキュニーはいい組み合わせだし
悪魔(ベリ)はイメージそのまま

キュニーは吟遊詩人役で結婚前の娘や人々を幻惑する

彼は「カミーユ・クローデル」でも
ポール・クローデルの詩を聴かせている
(作品に縁が深いらしい)

ここでは詩人でもあるプレヴェールの台詞を明晰に語っている
詩の朗読などで有名なのだろうか?

若い頃を知らなかったので
ずっと岩みたいな俳優だと思っていたが
岩になる前の(?)不思議な魅力が感じられた
生涯を通じてその存在感からこぼれ落ちる
知性が魅力の人なのだろう

ヒットラーは詩人ではないが演説の名手で人たらし
人々が疲労困憊した帰宅時を狙った夜の演説を増やしていった
(夜に大衆を扇動)
上手に時と場所を選び、言葉を駆使するところに
プレヴェールは悪魔的なものを感じたのかな

言葉の持つ力も再認識させられる

アルレッティのアルカイックスマイルも
悪魔的魅力あり

jarinkochie