劇場公開日 1948年7月

悪魔が夜来るのレビュー・感想・評価

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4.0言葉の魔力

2021年11月9日
Androidアプリから投稿

やはり誘惑しなくてはならないので
配役は悪魔側が魅力的

アルレッティとキュニーはいい組み合わせだし
悪魔(ベリ)はイメージそのまま

キュニーは吟遊詩人役で結婚前の娘や人々を幻惑する

彼は「カミーユ・クローデル」でも
ポール・クローデルの詩を聴かせている
(作品に縁が深いらしい)

ここでは詩人でもあるプレヴェールの台詞を明晰に語っている
詩の朗読などで有名なのだろうか?

若い頃を知らなかったので
ずっと岩みたいな俳優だと思っていたが
岩になる前の(?)不思議な魅力が感じられた
生涯を通じてその存在感からこぼれ落ちる
知性が魅力の人なのだろう

ヒットラーは詩人ではないが演説の名手で人たらし
人々が疲労困憊した帰宅時を狙った夜の演説を増やしていった
(夜に大衆を扇動)
上手に時と場所を選び、言葉を駆使するところに
プレヴェールは悪魔的なものを感じたのかな

言葉の持つ力も再認識させられる

アルレッティのアルカイックスマイルも
悪魔的魅力あり

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jarinkochie

2.0解説とは異なる隠喩が浮かんだが…

2021年5月6日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

事前情報で、この映画は占領ナチスドイツ軍
と占領下フランス国民の関係を隠喩した作品
と知った。

男爵領地の民=フランス国民、
男女の悪魔=侵攻ドイツ軍、ともあったが、
とすると、
悪魔の親玉=ヒトラーかナチス幹部
男爵と姫の婚約者騎士=ヴィシー政権
なのだろうか。

一瞬、私の頭に皮肉な解釈が浮かんだ。

悪魔の男がドイツ軍将校で、
姫が彼と恋仲になったフランス人女性と仮定
すると、占領下に敵国軍人になびいたとして
戦後断罪され頭を丸刈りにされた女性達にも
見えても来た。
しかし、そうすると、2人を石像に変えた悪魔
は戦後のフランス国民となってしまい
無理な思い付きか…と反省。

原作は15世紀のフランスの伝説を元に、
と解説にあったので、
占領に関する隠喩要素を除いた元々の話の
骨子はどのようなものだったのだろうか。
ストーリーの外形を借りただけのもの
なのだろうか。あるいは、
15世紀にも、自由恋愛的要素を賛歌する風潮
があったのだろうか。

映画への私の解釈としては、
女の悪魔は、男爵と騎士の否定的人柄から
悪魔として使命を全うする方向に行けたが、
男の悪魔が恋に至ったのは、
姫が純粋な人柄だったから、との理解に。
しかし、
一般国民は姫で、男爵と騎士はヴィシー政権
だとしたら少し手前味噌に感じたり、
また、男の悪魔はドイツ軍内のどんな勢力を
イメージしたものなのか、
単なる希望の象徴的意味に過ぎないのか等、
私には理解不能の要素もあり、
マルセル・カルネ監督作品としては「天井…」
の方が自虐的な内容ではあるが、
解りやすく好みではある。

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KENZO一級建築士事務所

4.0フランス恋愛映画の矜持を感じさせるマルセル・カルネの秀作

2020年5月15日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

マルセル・カルネ監督の純然たる恋愛映画。一途な愛に没入し精神を高めようとするフランス人の恋愛至上主義を謳ったロマンティックな作品。名画「天井桟敷の人々」に共通するカルネ監督の演出には、人間の声と情感を艶やかに表現する大人の知性を感じる。恋愛小説を創作する大家に匹敵する力量が素晴らしい。ジャン・コクトー監督の「美女と野獣」に並ぶフランス映画の古典にして、主演のアルレッティの美しさが記録された希少価値が高い。ナチスドイツの占領下で創られたレジスタンス映画の背景がありながら、それを恋愛映画に内包する時代の証言としても特別な意味がある。政治的な問題を恋愛で語るフランス映画の矜持には、感心と羨望の気持ちを抱かざるを得ない。
  1984年 8月21日

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Gustav