劇場公開日 1953年6月16日

「作品としては散漫な印象だが、グロリア・グレアムが輝く映画」悪人と美女 たいちぃさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5作品としては散漫な印象だが、グロリア・グレアムが輝く映画

2022年3月6日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

ハリウッド映画界の内幕を描いた映画で「死ぬまでに観たい映画1001本」にも選ばれているヴィンセント・ミネリ監督作。
映画界の内幕ものは数あるが、ロバート・アルトマン監督の『ザ・プレイヤー』には遠く及ばない作品だった。

デヴィッド・O・セルズニックをモデルにしているが、本作では製作者ジョナサン・シールズ(カーク・ダグラス)の復帰作に力を貸すよう頼まれた脚本家兼映画監督、女優、小説家(原作者)の3人が集まられて、3人がそれぞれシールズを嫌うようになった経緯を語るオムニバスっぽい映画。

脚本家兼映画監督は自分が長年温めていた脚本をシールズに奪われ、女優ジョージア・ロリソン(ラナ・ターナー)はシールズに拾われてスターになったものの愛情面で裏切られ、小説家(ディック・パウエル)は彼の執筆を邪魔するが可愛い妻(グロリア・グレアム)をシールズに遠ざけられて執筆業に専念させられている間に妻を失うことになる……など、三者三様のかたちで傲慢で自己チューな製作者シールズを嫌っている様子が描かれる。

ただ、本作は作品全体として見た時に「なんか散漫な印象」を受けてしまって、物語にのめり込む魅力に乏しい感あり。
…とは言うものの、グロリア・グレアムの登場シーンは眼を惹かれてハツラツとした印象を受けて素晴らしい。本作でグロリア・グレアムはアカデミー助演女優賞を獲得しただけある存在感。好きな女優が輝く姿を見るのは嬉しい。

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たいちぃ