劇場公開日 1974年10月12日

「みずみずしい感覚を表現できている永遠の生命をもつ作品だと思います」青い体験 あき240さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0みずみずしい感覚を表現できている永遠の生命をもつ作品だと思います

2019年7月29日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

綺麗なお姉さんに優しく手ほどきされて…なんてだけの単純な映画だったら、これ程長く愛される映画にならなかったと思います
結局のところはそうなってしまうのですが、単なるお色気コメディで終わっていないところに価値があります

邦題は本作の内容を的確に表現していますが、表面的です
原題の意味は悪意
ニーノの複雑な心情がよりうまく文学的に表現されていて、邦題よりもより深く内容を説明出来ており味わいがあります

性に目覚めた頃の男の子の感覚がみずみずしく映像に写しとれています
そして経験をしてラストシーンでは大人の顔つきに変わっているのです

音楽が秀逸です
70年代ポップス風味が濃厚にしてイタリアの味わい
甘酸っぱくて映画の内容に本当にマッチしています
このテーマ曲も永遠の生命を本作は得た理由のひとつだと思います

そしてカメラが素晴らしいです
見事な構図と光線の処理です
さぞかし名のあるカメラと思ったら、やはりラストタンゴインパリ、ラストエンペラー、1900年、地獄の黙示録などそうそうたる作品を撮っているヴィットリオ・ストラーロその人でした

今の子供達はネットでポルノにいくらでもアクセス出来てしまいます
このような微妙な心情を育むことができるのでしようか?

あき240