愛は霧のかなたにのレビュー・感想・評価
全3件を表示
フォッシー
シャラーの本だけを頼りに、博士と連絡をとりながら調査するフォッシー。フォッシーは絶滅の危機にあるマウンテン・ゴリラの生態もほとんどわからないし、密猟者の存在も知らなかった。ましてや内戦の続く不安定な国であることも忘れがちになって、コンゴから追放処分、ガイドのセンバガーレとも別れてしまう。一旦は諦めかけた彼女だが、ルワンダ側からコンゴ国境に向かう。
バトワ族だって生活がある。政府だって外貨が欲しい。様々な問題も絡んできて、1973年のワシントン条約締結までは悲しい思いをしなければならなかった。
終盤、ゴリラを殺されすぎて、あたかも魔女のような異常な行動までとることになったフォッシーだが、下界から離れているとこうなってしまうのかもしれませんね。「頭を取るなんて酷い」と頼れるセンバガーレに泣きじゃくるシーンは泣けます。結局、自殺(?)してしまうフォッシーだけど、彼女が残した功績は大きかった。
欧米的な動物愛護精神への疑問
行き過ぎた動物愛護を押し付ける欧米的価値観は問題点が多すぎることを伝えたいのであれば逆説的な解釈として良い映画だとおもうが、おそらくそうではないのだろう
前半で軍事政権によって追い立てられたことと同じことを現地住民に行っている矛盾は動物保護の目的で片付けて良い問題ではない
他国における現地慣習、風土、生活を考えることがまずは優先すべき事項であり、そのなかでの共存方法を選択肢として探ることがひいては目的である動物保護につながるはずだし、それをわからないまま一方的な価値観を貫くことに正義を振りかざすのはまさに欧米の侵略の歴史をなぞるものではないか
ということを考えさせられた意味では良作ポンコツ映画の部類だろうな
全3件を表示