「様々な愛の形を描いた秀作」愛の調べ 根岸 圭一さんの映画レビュー(感想・評価)
様々な愛の形を描いた秀作
今作と同じクラレンス・ブラウン監督の『仔鹿物語』が面白かったので鑑賞。
夫婦の愛、家政婦とその家族との愛、他人の妻に惹かれる男の愛。様々な愛の形を描いた秀作だ。特に印象に残ったシーンは、ブラームスがシューマンの妻クララに惹かれているのを知りながら、シューマンは知らないフリをし続けていたところ。他人の心の揺らぎを許容できる大人の懐の深さを見せてくれるシーンだった。
ラストシーンで、冒頭と同じようにかつての皇太子の御前でシューマンの『トロイメライ』を演奏するクララのシーンも良い。長い年月の重みを、曲に乗せて感じさせてくれる余韻のある終わり方なのが良かった。
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